さよなら魔法使い
古い教科書や昔の日記はもう読み返すのも恥ずかしいから悩まずにそのままゴミ箱へと移される。

「あれ？」

引出しから取り出した箱の中、見慣れない袋を見付けた彼女は思わず手を止めた。

大体のものは袋を見るだけで何が入っているか想像ができるのに、なぜかこれは見当もつかなくて彼女は首を捻ってしまう。

「うーん？」

袋を開けるとそこに入っていたのは外国のお土産だろうか、異国の雰囲気が漂うオーナメントだった。

何とも言えない不思議な魅力を持ったオーナメントに彼女の口から出てくる言葉はただ一つ。

「綺麗…。」

眺めていると何となく見覚えがあるような気がして彼女はまた首を捻った。

その勘は当たっているはずだ、彼女の部屋にあるということはおそらく彼女自身が入れたのだろう。

「リース！お茶が入ったわよ！」

「はーい！」

返事をしたものの、手の中の疑問は解決していない。

仕方がないのでリースはオーナメントを持ったまま下りて行った。

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