さよなら魔法使い
「ねえ、これ店のツリーに飾ってもいい?」
リースの言葉にトゥーリは勿論と頷いた。
「あなたの魔法使いのオーナメントも飾ってあるわよ?」
魔法使い、その響きにさっきまで幸せそうに微笑んでいたリースの表情は急に硬くなり視線が落ちていく。
それもまた懐かしい記憶、いや、彼女にはまだ懐かしむことのできないものだった。
「…そう。」
明らかなリースの反応にトゥーリも表情を曇らせた。
リースは手にしていたオーナメントを眺めて遠い目をする。
「ムッシューノエルの時はね。あの後ろ姿を見送ったら…もう会えなくなるって小さいながらに分かっていたの。また会いにくるって言葉も気休めに聞こえた。」
ちりめんのオーナメントの向こう側に見えるのはあの時の記憶。
「寂しかったけど、次第に記憶も薄れていったわ。」
そう言いながらも寂しく微笑むリースの気持ちはほんの少し温かかった。
でも彼はそうではない。
魔法使いの存在は今なお強くリースの中に残り、こんなにも胸を締め付けるのだ。
リースの言葉にトゥーリは勿論と頷いた。
「あなたの魔法使いのオーナメントも飾ってあるわよ?」
魔法使い、その響きにさっきまで幸せそうに微笑んでいたリースの表情は急に硬くなり視線が落ちていく。
それもまた懐かしい記憶、いや、彼女にはまだ懐かしむことのできないものだった。
「…そう。」
明らかなリースの反応にトゥーリも表情を曇らせた。
リースは手にしていたオーナメントを眺めて遠い目をする。
「ムッシューノエルの時はね。あの後ろ姿を見送ったら…もう会えなくなるって小さいながらに分かっていたの。また会いにくるって言葉も気休めに聞こえた。」
ちりめんのオーナメントの向こう側に見えるのはあの時の記憶。
「寂しかったけど、次第に記憶も薄れていったわ。」
そう言いながらも寂しく微笑むリースの気持ちはほんの少し温かかった。
でも彼はそうではない。
魔法使いの存在は今なお強くリースの中に残り、こんなにも胸を締め付けるのだ。