ネージュ【短】
「言っとくけど、ここボクも初めてだからね」



「えっ」



「夢叶ちゃん、急に顔色変わったから」



「ご、ごめんなさい…」



わたし、サイテーだ。



今日はクリスマスなのに、光輝くんに嫌な思いさせて…。



「なんで、謝るの?嬉しいよ」



「嬉しい…?どうして」



「だって、妬いてくれてるんでしょ?知らない女の人に」



「……あぅ」



光輝くんは、やっぱり大人だ。



わたしなら、そんなこと言えないもんっ。



そんな会話をしているうちに、飲み物や料理がきて。



「ほら、食べよ?」



「う、うんっ」



『メリークリスマス』



二人で、そう言いながらグラスに口を付けた。



「光輝くん、光輝くんっ!このデザート美味しいよっ!!」



さっきまでの、わたしはどこへやら。



大好きなイチゴのデザートが出てきて脳内は、すっかりイチゴだらけ。



「そう、それは良かった」



光輝くんは、微笑みながらわたしを見ていた。
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