ネージュ【短】
「うん、俺もそう思うんだよね。夢叶ちゃんは見ていたくなくて逃げてきたんでしょ?」



「えっ、あの、それは…。はい…」



陣さんになら言ってもいいかなと思った。



「だよな。あんな番号交換とか見せられたら嫌だよな。だから俺も逃げてきた」



「陣さんも、ですか?」



そうだよね、きっとみんなわたしたちと同じ立場なら逃げ出したくなるよね。



「そりゃ、そうだよー。光輝くんカッコいいし妬いちゃうよ」



「わ、わたしも…。彩矢さんとても綺麗だから嫉妬します…」



わたしたちは顔を見合わせ、プッと吹き出した。



「あの、陣さん。質問してもいいですか?」



「ん?答えられることなら、何でもどうぞ?」



わたしは聞いてみようと思った。



男の気持ち、というものを。



「あの、陣さんと彩矢さんは付き合ってどれくらいですか?」



「んー、俺ら?えーと、半年くらいかな」



「半年…」



わたしたちと同じだ。



「あの、じゃぁ…その。どこまでいきましたか…?」



「ん?どこまで、とは?」



は、恥ずかしいっ。



でも聞かなきゃ、男の気持ちは分からないっ。
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