ネージュ【短】
「え、あの…。光輝くん、これはっ」



「なに、他の男の前で泣いてんの」



光輝くんの、顔が、声が怖い。



「わ、わたし。ただ、話を聞いてもらってただけで…」



「それはボクには話せないことなの」



は、話せるわけないしっ。



わたしが何も言わず黙っていると腕を掴まれ、そのままグイッと引っ張られた。



「ちょっと、来て」



「えっ!?光輝くんっ、待って…!!」



そう言っても、全く止まってはくれない光輝くん。



わたしは引っ張られながらも、後ろを振り返った。



「陣さん、お話聞いてくれてありがとうございましたっ」



それだけ言うと、陣さんはニコリと笑って手を振ってくれた。
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