ネージュ【短】
はじめての…
「シャワー浴びてくる」



ボクは夢叶ちゃんの言葉を待たず、脱衣所に入った。



乱暴に服を脱ぎ捨て、キュッと捻り頭から熱いお湯を浴びる。



「嫉妬くらいするっつーの」



ポツリ呟いた言葉は水の音で外には聞こえない。



「でも、いきなりキスしようとしたのはマズかったかな」



夢叶ちゃんにとってボクは初カレなわけで、きっと大切にしてる。



ボクもそう思ってたから、今まで大切にしてきた。



だけどあんなのを見せられて、我慢できなくなった。



「はぁ…、どうしよ」



そう言いながらボクは置いてあったバスローブを手に取り、それを羽織ると夢叶ちゃんがいる部屋へ移動した。



泣いてる…?



電気も付けず、真っ暗な部屋に一人ベッドにポツンと座っていた夢叶ちゃん。



「夢叶」



ボクは初めて呼び捨てで彼女を呼ぶと、ゆっくり彼女の隣に腰を下ろした。
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