Blue sky days
「それで説明がつくとしても、学校側が動かなかったのはなんでだ?」
「北校舎に死体がなかったから、敷地内の学校外からしか認識できなかったんでしょうね。
つまり、火が消えたりしなかったのは、あれも幻覚ならば説明がつきます。
わざと魔法を使うよう仕向けたのは、魔法の態勢をつけるためでしょうね」
これが正しいとすれば、先輩たちの魔法が効かなかったのにもうなずける。
しかし、なぜここまでこったことをしたのか。
「まぁ、紫桜の小手調べといったとこだろうな」
「…え?」
俺が気付く前に調べておこうとでも思ったということか?
通りで引きが早い。
「あれだけの魔法が使えても、すぐに倒れるなら…という感じでな」
「でも、それのどこに問題が…」
疑問に思ってもいいとこだったんだろうね。
いつも睨みつけるはずの先輩が、平然とした顔してる。
「ようは、弾数が限られてるなら、対策できるってやつですよ」
「魔力がデカくても、調整できないなら倒すのにも苦労しないと確信したんだろうな」
あれが小手調べだとすると、次があった場合、今回よりもヤバいだろうな。
ダンジョン的なやつか、あっちから乗り込んでくるか。
「次があった場合はどうするんですか?」
「そんなの、決まってんじゃん」
「「「「殺すよ」」」」
もうヤダこの人たち。
…でも、なんか楽しそう。
「…まぁ、会議内容も大体終わったし、お茶でも飲むか」
「ということで、紫桜!コーヒー入れて!!」
「意味が分かりません」
なんでこの人たちは…てか全員こっち見てるし。
家の主がやれよ…
「野口さんが手伝ってくれるんですよね?」
「もちろん、入れてきて」「え!?」
まだバタバタが止まる様子がない。
まぁ、ちょっと悪戯を仕掛けたいと思います。
「コーヒー、ロシアンルーレット式でいいですよね」
「「「「!!??」」」」