Blue sky days

 弁当を食べ終わったのはいいものの、
何をすればいいのか…

 先輩たちはどこからボールを出したのか、
バレーボールをし始めた。
まぁ、先輩たちの実力なら、普通に異次元からものを出すなんて簡単だろうが。


 …いつも通りに、だな。
俺はいつも持ち歩いている碧いファイルを取った。

 何を書きたいわけでもない。
ただ、『記憶』が書かれているから。

 まだ、最初の、4月のころ。
俺が、部活に入りたての頃の、幸せなときの。
…俺が、『化け物』として恐れられるきっかけも…



「…あっ!紫桜!!よけ…」

<ガンッ!!!>

 雰囲気がめちゃくちゃだよ。
せっかくのシリアス展開がめちゃくちゃだよ。

「…何やってんですか。こんな狭いとこでこんなことしたら、
 普通に球が飛んでくことぐらい予想できるでしょう。
 
 しかも…魔法まで使って球を飛ばすとは…」

 ボールを拾いながら立つ俺は、
立っているのにふらふらしている感じ。
今のはちょっとぐらいは怒る権利があるというものだ。


「…落ち着け、紫桜。な!俺らが悪かったから!!」

「おい、野口…、奴の背後からなんか出てる」

「錯覚にしては、はっきりしすぎてて怖いんだが…」

「いや、そんなこと言ってる場合じゃ…」

 動揺が隠せていない先輩たち。
容赦はしない…

 俺は、ボールを強く握った。
それと同時に、この間使った炎系魔法より、
少しだけランクが下の魔法を発動し、ボールに魔法を送った。

 それから、先輩たちのほうを向きなおす。
一か所に固まっている先輩たちに狙いを定める。
そして… 

「地獄に堕ちろおおおおおおおお!!!!!」

「「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああ」」」」


<ドゴオオオオオオオン>


 学校の一部と一緒に吹っ飛ぶ先輩を、俺は見送った。


【※学校は、ちゃんと魔法で直しました】















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