Blue sky days

「あぁ、紫桜ちゃん」

いつもの会話。これが楽しみ。

「紫桜ちゃん、今暇?」

いつものセリフだ、断る理由もない。

「もちろんです。班の仕事なんて知ったこっちゃねぇ」

「いや、ちゃんとやりなさい」

笑いながらツッコミをくれる。
これもいつものこと。

「だって、いつも通り授業サボってますから。
 俺が出る理由もないんですもん」

本音。先輩の前だけで出る本音。
仲のいい先輩はほかにもいる。
その先輩たちの前だけで出る本音。

「…まだ、いじめられてるの?」

先輩は優しい。やさしいから誰もくれない心配をくれる。

「止まるはずもありません。そんなチャンスないですから」

まぁ、もうあきらめてるから、チャンスなんていらないけど。

「…そういえば、今日伊織さんは?」

「あぁ、休み。熱でたっぽい」

いつもこの時間に絡んでいる先輩の一人。
時間によって会える人と会えない人がいるからな。






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