Blue sky days
「紫桜もほかの人間を巻き込みたくないだろう?
場所を変えよう」
<パチン>
タウトは1回、スナップを鳴らした。
すると、そこらへんで倒れていた下っ端やリーダー格のテロリストが、跡形もなく消えた。
<パチン>
2回目のスナップで、人質とされていた生徒たちが1人残らずいなくなった。
「これで邪魔をする者はいなくなった。
ゆっくりと話ができるよ」
「…ふざけるな」
「ふざけてないよ。せっかくの再会を楽しもうって言ってるんだよ?紫桜…」
名前を呼ばれるだけで震えが止まらない。
リミッターが、外れそうだ。
「さて、どうやって戻ってきたか、だよね。それは…」
ステージに腰を掛けて笑いながら語ってきた。
俺が知っている中で、あいつが戻って来れる方法はただ一つ…。
「俺が」「君が」「「連れ戻した」」
…え?予想はした。しかし、ありえない方法だ。
俺はコイツを戻してはいない。
「詳しく言えば、君であって君でない。
君の影だ。王の器を持つ君の分身だ」