Blue sky days
「…え?」
甘い香り。いつも感じている香り。
俺は、抱きしめられていた。
「野口…さん?」
「し…おう……ッハ」
<ドサッ>
目の前に広がる赤い色。床が血で染まっていく。
撃たれたのは、俺じゃない。
「野口さん!!!」
「「「野口!!」」」
魔法使いには、ロスタイムが存在する。
そこをついて、確実に命中させてきた。
「あ…くっ…うああああああああああああああああああああ!!!」
「夜桜!!!!ダメだ!!!」
心の中で鎖につながれていた俺が、解放された。
鎖がはじけ飛んだ。
その時、俺につながれていたリミッターが外れた。
もう…どうでもいい。
「…それが見たかったよ。君の本当の力がね」
「…黙れ」
膝をついて屈んだ後、右手を野口さんの傷口にかざした。
すると、床に流れていた血が消え、傷も消えた。
「ここまでとは…。それでも、攻撃はしないの?」
「…タウト!!」