Blue sky days
…あの時、丹野は右腕を伸ばしていた。
魔法を使ったんだ。
自らの力で紫桜のリミッターを再生した。
あの時から、丹野が紫桜のリミッター代わりだ。
紫桜の暴走を止められるのは、丹野だけになった。
だから、もし丹野がいなくなったときに紫桜が暴走したら、
俺等の誰かが、代償を払って止めるしかない。
…覚悟は、しておいた方がいいのかもしれないな。
「おい野口。行くぞ」
「あぁ、待てよ」
それは、まだ先の話なのだろうがな。
「何考えてたんだ?」
「え?いやちょっと丹野について…」
「キモッ!!」
「は!?そこまで引くか!?」
「ホモなのは知っていたが…そこまでとは…」
「違うし!!普通に女子好きだし!!」
「その発言はどうかと…」
今は、こいつらと、走っていよう。
孤独の中で生きている女の子を救いに行くために。