天使のラプソティ~声になる~
「別に意味はないんだ。どっか遠くに行きたかっただけで」
飯島さんは空を見上げて
楽しそうに笑った。
「違う場所で未央といれば、あの雰囲気も消えるかなーって思ったんだよ」
「―っ・・・・・・」
どきん。
心臓が跳ね上がりそうになった。
こんな状態でも、まだ私のことを気遣ってくれてたんだ・・・・。
泣いてた私のこと考えて
わざわざこんな遠くまで連れてきてくれたんだ・・・・・・。
「未央」
飯島さんが起き上がった。
私と向き合って座る。
「ちゃんと、言わせて」
目をじっと見つめられた。
真剣な瞳。
顔。
声。
目が
そらせなくなる。
私の
心臓の鼓動が
どきどきと早くなった。
「―好きだ」
瞬間
時間が止まった。