天使のラプソティ~声になる~
大晦日の夜は、親戚が集まって年越しそばを食べに行った。
毎年の飯島家定番コース。
家に帰ってきて、俺は自分の部屋に戻った。
下では両親たちが見てる紅白歌合戦の歌声が聞こてくる。
俺は部屋の明かりを消して、ベランダに出た。
容赦なく冷たい空気が体に突き刺さった。
俺は慌てて上着を取ってくる。
外に出てみると、きれいな夜空が広がっていた。
真っ暗闇の中に
満天の星たちが輝いてる。
俺はゆっくり息をはいた。
白い。
小さいころ、こういう夜空の下にいるのが好きだった。
静かな夜に
見渡す限りの星空。
広大な空の下に
吸い込まれてしまいそうで
まるで
この世界に自分ひとりが存在してるような
不思議な錯覚。