天使のラプソティ~声になる~
上着のポッケに入ってるケータイが鳴った。
俺はすぐに現実に引き戻される。
メールは
未央だった。
『飯島さん
明けましておめでとうございます。
これからよろしくお願いしますね』
0時ぴったりの
未央からのメール。
いつの間にか、もう年が過ぎてた。
俺が送ろうと思ってたのに。
未央からこういうメールが来たのが嬉しい。
ほんとに俺は未央と付き合ってるんだ、って実感するから。
俺はあけおめメールのかわりに、雑談メールを送った。
『外出てみろよ。空がきれいだから』
今日の空を
未央に見てもらいたかった。
十分経って、未央の返信。
『本当ですね・・・・・。すごくきれいです。
一つ一つがしっかり輝いてるんですね。
見守ってくれてるみたいです』
自然に俺の口元がにやけた。
見守ってくれてる。
そっか。
そういう考えもあるんだな。
俺は空の下に取り残されたんじゃない。
少なくとも
俺と未央は今
同じ空を見てる。
同じ空の下で繋がってる。
それが
たまらなく嬉しかった。