天使のラプソティ~声になる~
待ち合わせ場所に行くと、もう未央が立っていた。
やべぇ
遅刻かよ
「悪ィ、待った?」
走ってそばに寄ると、未央は笑って両手を振った。
指先が真っ赤になってる。
「手寒そうじゃん。痛くねえ?」
俺は
未央の手にそっと触れた。
未央が顔を赤く染める。
こういう反応が
いちいち俺のツボを突いてくる。
可愛いすぎるだろ!!
俺は自分のポケットの中に手を入れた。
「入れろよ。温めてやるから」
未央は赤い顔で、考えるような顔をした。
しばらくしてから、遠慮がちに手がのばされてくる。
「いらっしゃーい」
俺はポケットの中で未央の手を握った。
冷たい手が、おそるおそる握り返してきた。
ポケットの中だからか、
密着度が増してる気がする。
未央が顔を赤くしてうつむくから
こっちまでどきどきしてくる。
一緒に歩く時間、すごく幸せだった。