天使のラプソティ~声になる~
俺の脚が折れた。
二度目の怪我。
しかも、今度は療養期間がもっと長い。
ほとんど部活に参加しないまま、一年生が終わった。
もう俺はぼろぼろだった。
二年の夏の大会前に怪我は治ったけど・・・・・
もう走る気力はなかった。
俺は退部届も出さないまま、
陸上部から離れていったんだ。
あの時、抜け殻みたいだった俺を支えてくれたのはアキラだ。
アキラがいなかったら、どうなってたかわからない。
今アイツが俺の世話を焼くのは、そういう過去があるから。
その後、俺は髪を染めた。
別にやけになったわけじゃないけど・・・・・・投げやりな気持ちはあったな。