天使のラプソティ~声になる~
『ほんとのほんとに、いいんですか?』
「そう。もう良いから、この話は終わりにしようぜ」
あからさまに嫌そうな顔をすると、未央の瞳が不安げに揺らいだ。
ちょっと罪悪感。
『なら・・・せめてもう一度だけ、陸上を見てみませんか?』
「・・・・・・・・・」
未央は一生懸命俺をつなぎとめようとした。
『今週の土曜日に陸上大会があります。一度だけ見に行ってもらえませんか?』
市内で冬季大会があるのは知っていた。学校の掲示スペースに張ってあったのを見たことがある。
でも、もう俺には関係ないこと。
「・・・・・・・・・・・・・・」
なかなか返事を出さないでいると、未央が泣きそうになった。
どうしてそこまで俺に必死になるんだろう。
未央の瞳を見てたら、なんだか可哀想になってきた。
・・・・・・・・・罪悪感
「・・・・・・・・・わかったよ。一回だけな」