天使のラプソティ~声になる~
安土は熱血スポーツマンタイプで、誰よりもまじめに練習してた。
中学のころのあいつの記録はまずまずで、一般入試での入学だった。
俺はスポーツ推薦というのが嬉しくて、調子に乗ってたのかもしれない。
周りに圧倒されるばかりで、安土のような底力がなかった。
中学のときに記録を持っていた俺が今はこんなで
無名のあいつは力をつけていき、今は全国大会の常連者になってる。
高1の夏を思い出した。
同じ学校の仲間が次々と記録を伸ばし、全力で走っているのをただ眺めていただけのあの夏。
観客席で松葉杖をついていた俺。
あのときの気持ち。
みじめで、
悔しくて、
悲しくて。
やり場の無い怒りが体中からこみ上げてきた。
あのときの自分がよみがえってくるようだった。
・・・・・・・・・・やっぱキツい。