天使のラプソティ~声になる~
安土が1位で突破したのを見るのも
他の奴らが走っているのを見るのも
俺のあきらめた
200m走の競技を見るのも
俺は出口に向かって歩き出した。
隣にいた未央が慌てて付いてくる。
困った顔で俺を見上げた。
「あー・・・・・悪ィ」
俺は未央の顔を見れなかった。
いつも気遣ってやってる歩く速度も、無意識のうちに速くなってた。
それでも未央は小さい体で人ごみを何とか掻き分けながら、一生懸命追いかけてくる。
俺は無言で階段を降りた。
外に出ると、どこかの高校の団体と私服が混じって固まっていた。
結果の掲示板を見に着たんだろうか。
俺は反対方向のバス停に歩き出した。
「―奏也?」