天使のラプソティ~声になる~

俺はゲーセンの前でチャリを止めた。

「行こっ」

未央を連れて、中に入った。
いろんなゲームの音がやかましく響いてる。


「何かやりたいのあるか?」


未央が困ったように首をかしげる。


「・・・・もしかして、ゲーセン来んの初めて?」

澪はうなずいた。



まじかよ。


俺はとりあえず近場にあったやつに金を入れた。


曲が流れている間にリズムをとるあの太鼓のゲームだ。

「やってみろよ。面白いから」
俺は未央にばちを渡した。
未央はばちを両手に持って、不思議そうに二つを眺めてた。

「画面に太鼓を叩くタイミングが出るから、それに合わせて叩けば良いんだよ。大戦な!」

俺は一番簡単なメニューを選んで適当な曲を決定した。


「今!叩け!」

おれの声で未央が慌てて叩いた。
次々に画面に太鼓が流れてくる。

未央があたふたしながら太鼓を叩いた。一生懸命に画面を見てる。

俺はそんな未央が可愛くて、ときどき太鼓を叩くのを忘れてた。




そんなんで、結果は未央の負け。
終わった瞬間未央がほっと息をついた。
顔が赤い。

画面を見て、苦笑いしてる。

「お疲れ」
俺は未央の頭にぽん、と手を置いた。

未央が俺を見上げて笑った。


楽しそうに笑ってくれた。




その後も俺らはいろんなゲームをやった。


その度に未央が一生懸命になるのが面白くて、俺は未央ばっかり見てた。




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