天使のラプソティ~声になる~
朝、俺は教室で未央にメールを打った。
『昨日はごめん。
ちゃんと話したいから、今日会えるか?』
送信したのを確認して、ケータイを閉じる。
窓の外を見た。
もう校庭の木はほとんど枯れていた。
木を飾っていた赤い葉はもう姿を消している。
もうすぐ12月になる。
いつのまにか季節は、俺らを置いて冬になろうとしていた。
未央と会ってから、もう二ヵ月も経つのか。
未央の苦しそうな顔。
俺は、未央を困らせてしまったんだろうか?
俺の気持ちは、未央を困らせたのか?