天使のラプソティ~声になる~
後ろから音がした。
立っていたのは未央だった。
やっと来てくれた。
俺はほっと息をつく。
「・・・・・・来てくれたんだな」
未央は下を向いていた。
「・・・・・・この間は、ごめん」
俺は頭を下げた。
「突然困ったよな。悪かった」
未央は下を向いたまま、肩を揺らしてた。
様子がおかしい。
「未央・・・・・?」
未央は鞄からノートを取り出した。
俺があげたノート。
俺の顔を見ないようにして差し出した。
俺は黙って受け取る。
その瞬間、未央は走り出した。
「おい・・・・・っ!」
俺は驚いて、足がすくんだ。
慌てて渡されたノートを開いてみる。
何も、書いてなかった。