天使のラプソティ~声になる~
前の会話でノートは止まってる。
未央の気持ちは、何一つ書いてなかった。
「待って・・・・・・・・!」
俺は追いかけて未央の腕を掴む。
強引に引っ張った。
ちゃんとした答えが聞きたいのに。
はっきりと決着をつけたいのに。
「何で何も書いてないんだよ・・・・・」
未央は振り向かずに前を向いてる。
乱れた息遣いが聞こえた。
「未央・・・・」
未央は首を振った。
何で。
何で、何も伝えてくれないんだ?
俺は今まで未央の気持ちに触れられてた気がしてたのに
全部違ったのか?
頭の中が真っ白になる。
感情があふれ出して止まらない。
俺の中で全身をうごめく。
俺は未央の肩をつかんで無理やり振り向かせた。
「言ってくんなきゃわかんねえだろ・・・・・・・・っ!!」
そして
一番言ってはいけない言葉を言ってしまった。