天使のラプソティ~声になる~
「冬休みにどっか遊び行こうぜー」
リョータがファッション誌を見ながら言った。
さすがに12月に屋上は寒すぎるので、俺らは教室で机を並べて昼メシを食べてる。
「俺はバイト入れまくってるからあんま遊ぶ時間ねーぞ?」
「友達より彼女かよ!最低だお前」
リョータはうらめしそうに慎哉を睨んだ。
「何だよつまんねー。こうなったら奏也、独り身同士合コン行こうぜ!」
リョータは目を輝かせた。
俺に話ふるなよ。
「ばっか。何がこのさいだよ。新垣はどーしたんだよ」
「っだっだから何であいつが出てくんだよ!」
リョータは顔を真っ赤にして怒り出した。
俺がにやにやしてると、アキラが複雑そうな顔で見てる。
アキラにも本当のことは言えなかった。
ただ「フラれた」としか伝えてない。
アキラは残念そうに
「そっか・・・・」
と呟いてた。
未央を傷つけたことが苦しすぎて、誰にもいえなかった。
俺は1人で
心の中でそっと
罪悪感と闘う。