天使のラプソティ~声になる~
移動教室から帰ってくると、教室の出入り口にC組の女子がたまってた。


誰か待ってるようで教室を覗き込んでる。



俺らは反対の出入り口のほうを通ろうとした。


俺らが来た瞬間、女の子達が騒ぎ出した。

「ほら、来たよ!」

「泉!早く早くっ」



何だ?



真ん中にいた女の子が背中を押されて前に出てきた。


赤い顔をしてたのは、この前告って来た遠藤。


「い、飯島っ!」



呼び止められて、俺は立ち止まる。


遠藤は顔を真っ赤にして、上目遣いで見上げてる。


「ちょっと話良い?」

「今?」


俺は周りをちらっと見回した。リョータがにやにやしながらGOサインを出してる。

遠藤の後ろにいる女子達は期待の目で俺らを見てる。



「あんま時間とんないから!すぐ終わる!」



遠藤は必死だった。



目を潤ませて震えてる。


その姿がどこか未央に似てた。




「・・・・・・別に良いよ」




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