天使のラプソティ~声になる~
「あの・・・ダメかな?」
遠藤は口元に手をやった。
顔を赤くして、瞳を潤ませて不安そうに震えてる。
鈍い俺だってわかる。
まだ、遠藤は俺のことが好きなんだ。
委員会でちょっと話したくらいだったのに、何で遠藤はそんなに俺がいいんだろう。
俺よりかっこいい奴なんて山ほどいる。
なのに何で遠藤は、断って2ヶ月経った今でも俺がいいんだろう。
俺は全然かっこいい男じゃないのに。
俺の返事を待って、遠藤はずっとうつむいてた。
肩を震わせてる姿に、未央を思い出す。
遠藤はちょっと未央に似てた。
大きな目とか
小柄なとことか
不安そうにうつむくとことか。
いつの間にか、遠藤を未央と見比べてた。
何やってんだ俺・・・・。
まだ俺の心の中に、未央がいることを思い知らされる。
愛されたい人に愛されなくて
愛してくれる人を愛せなくて
人を好きになるのって、難しい。