天使のラプソティ~声になる~
「・・・・すっげぇきれいな声してんだよ」

「声?」

俺は小さな声で言った。

「一昨日公園のそば通ったら歌声が聞こえてさ、そのこの声だったんだけど・・・・なんかすげーきれいで切なくて・・・ものすごい感動した。鳥肌たったのとか初めてだったし、今まで聴いたこともないようなので・・・」

アキラは黙ってあいづちを打った。

「だからあの歌がもっ回聞きたくて話しかけたんだけど、イマイチ怯えられてるっぽくて・・・。ちゃんと話して仲良くなろうって思ったんだよ」

気づくと、アキラはなぜか嬉しそうな顔になった。

「オッケー。麻子に聞いとくな」
「さんきゅ。麻子ちゃんにお礼言っといて」
「歌が上手いってことは、合唱部のことかかもな」

「多分有名だと思うぜ。あの声は上手いとかそういうんじゃなくて、人をひきつけるから・・・・・」

アキラが俺の顔をまじまじと見つめてきた。
俺は話すのをやめた。

「何だよ?」
「いや」
アキラはにやっと笑った。





「お前のそういう顔、久しぶりだと思って」







一瞬、息が止まった。







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