【X'mas】可愛い君へ。

くるりと辺りを見渡す。

すると、ソファーの下にあるバッグが目に止まり、その隙間から、ピンク色の物を見つけた。



…何かしら?



キッチンからリビングへと戻り、それを見ようと近づく。



んっ…!?



途端に、私の鼻をくすぐるあの香り。

今さっきまで消えていたはずのそれが、ふわりと私の身体を包み込んだ気がした。



この香り…ヤダ…。




けして、臭いわけじゃないけれど。

寧ろ、お花の様な良い香りだけど。




…嫌なの。




朝早く家を出る貴方。
そして、いつも遅くまでお仕事な貴方。


だからね。


せっかくの二人きりの空間を
他の香りなんかに邪魔されたくない。


そう思っちゃうのは…私のワガママかな?



チクチクと痛む胸。

これ以上、耐え切れそうに無くて。


鞄の隙間から顔を入れ、口でソレを咥えた。


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