【X'mas】可愛い君へ。


「…フィオ?」


すぐ目の前の貴方が私を呼ぶ。

けれど、その優しい声でさえ、その香りの物になったような気がして。



そっと、差し出されたクッキー。



いつもなら喜んで食べる私だけど…。




…ごめんね。勇太さん。






ふぃ。





それを食べる事が私には出来なくて。

心配そうに見つめる貴方から、顔を逸らした。


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