【X'mas】可愛い君へ。
その丸い瞳を更に大きくし、首を傾げるフィオ。
…まぁ。
猫にとっちゃX'masだろうが、正月だろうが、何も変わらない一日なのだろうけど。
やっぱり、飼い主としてはこのイベントにやってみたい事があるわけで。
「今日はお前にプレゼントがあるんだ。」
「みゃ~。」
変わらずの返事だけど、何故か喜んでるように感じるのは、俺が親馬鹿なだけだろうか。
(ほんと、こいつの事になると…。可笑しいな俺。)
クククと込み上げる笑いを堪え、その存在を片手に抱きながら、俺はリビングへと足を進めた。
「よいしょっと。」
肩にかけていたカバンを下ろし、フィオをそっとソファに下ろす。
おすわりをしたまま見上げるその姿に、はやる気持ちを抑え、昨日買って置いた小さなケーキとワインの準備をする。
そんな俺の行動一つ一つを追うようについてくる小さな存在。
一緒になってもう半年もたつが、やっぱりフィオはまだまだ甘えん坊。
けれど、それは拾った時の光景から考えると、仕方ない事だと思った。
「まってなフィオ~。もう少しで終わるからな~。」
「みゃ~。」