【X'mas】可愛い君へ。

ジーっと見つめる視線。

俺のひざに手を乗せ、動く口を重視するフィオ。

俺が何かを食べるといつもそうやっては来るけど、今回は何かが違う。
いつもならフリフリと動く尻尾が、何故かピクリともしない。



「…フィオ?」



(…食べたいんだよな?)

試しに、もう一つ摘み、そっと口元に持っていってやる。


すると…。



ふぃ。



「へ?」



その小さな頭を横に向け、目の前のソレから顔を背けた。



「フィ、フィオ?」



どうしたのか。

今まで何でも欲しがっていたフィオ。
クッキーだって前にあげた事はあったはず。


…なんでだ?

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