【X'mas】可愛い君へ。
混乱する俺をよそに、サッとひざから足を下ろしたフィオは、今度は先程まで俺が手に持っていた紙袋をガサガサといじり始めた。
「あ、あぁ。フィオ。それはお前にだ。」
さっきの態度が気にかかる中、紙袋にじゃれるその存在も一緒にひざの上に移動させる。
そして、俺はその中身を取り出した。
「じゃじゃ~~ん。」
「にゃ~?」
ふわふわの白いボンボンがついた赤い帽子。
そして、お揃いのワンピース。
仕事帰りに近くのペットショップへ立ち寄った俺は、フィオのためにと猫用のそのセットを購入した。
「どうだ、フィオ~!可愛いだろこれ。」
「みゃ~!」
どうやらお気に召した様子。
俺の手にある帽子から垂れるそのボンボンを、小さな手で一生懸命パンチしている。
さっきまでのそれが嘘かのように、フリフリと揺れる尻尾を見て、何故かホッと安心感が溢れ出た。
「さぁ~!フィオ。お前のサンタ姿を見てみようじゃないか!」
「みゃ~!」