【X'mas】可愛い君へ。


そして、数分後。



「みゃ~?」



真っ黒な存在に乗った、赤い小さな帽子。
そして、その小さな体を纏う同じく赤いワンピース。
動く度にふわふわと揺れる白いファーが、その黒い毛と交わった。



「うん!凄く可愛い。フィオ。」

「…みゃ~!」



俺の腕に体を摺り寄せるその姿はまるで、小さなサンタさん。

こんなに似合う猫はコイツだけ。

そう思ってしまうのはやっぱり俺が馬鹿親な証拠だ。



「なぁ、フィオ。サンタはプレゼントを配らなきゃいけないんだぞ。」

「みゃ~?」



腕に寄り添うその体をヒョイと抱き上げる。
すると、またもや首をかしげ大きな目で俺を覗き込んだ。


何度見ても可愛いその姿。


フィオ。

お前が来てくれた事事態が、俺へのプレゼントになったんだ。


だけどやっぱり。

可愛い子に意地悪したくなる気持ちも分かってくれるだろ?



「さぁ、フィオサンタは俺に何をプレゼントしてくれる?」




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