クリスマスの贈り物

サキちゃんのおうちはケーキ屋さん。
パパが作ったケーキを
ママがお客さんに売っています。


学校のお友達もみんな
サキちゃんの事を羨ましがります。


「いつだって美味しいケーキを
食べれて良いわね」


と。


だけど、サキちゃんはおうちが
ケーキ屋さんなのがとても嫌で
仕方ありませんでした。


それはねーーーー










「サキ、奥に行ってなさい。
お店に来ちゃダメでしょ。
ほら、邪魔になるから部屋で
お勉強でもしてなさい。
今日の宿題まだじゃないの？」


「宿題なんか……。」


サキちゃんは何かを言いかけて
止めました。そして
大人しく部屋に戻ってマンガを
読み始めました。


「もう、冬休みだよ。
今日の宿題なんて出てないよ……。」


もうすぐ、クリスマスです。
ケーキ屋さんのサキちゃんのお家は
クリスマスケーキ作りと
そのケーキの予約にくるお客さんたちで
大忙しでした。


サキちゃんのパパが作るケーキはとても
美味しくて遠い所からも買いにくる
お客さんがたくさん、いるのです。


「もうすぐクリスマスなのに……。」


サキちゃんはクリスマスも嫌いです。
だって、クリスマスがあるから
サキちゃんのお家は忙しくて、
だからクリスマスのパーティーなんて
お家でしたことなくて、
クリスマスもケーキ屋さんも
全部、全部無くなっちゃえ
って、
思っていました。


そうだっ！


サキちゃんは手に持っていた鉛筆で
紙にサンタさんへの手紙を書きました。
そして、
リビングに置いてある
お店のよりとてもとても小さな
クリスマスツリーにぶら下がっている
靴下の中にそぉっと入れておきました。