普通に輝くOL
一瞬、直登の表情が曇ったことに、郁香は驚いた。
さりげなく、目立ちたくない理由をきいてみたくなったがいい質問が浮かばない。
「明日は直登さんと出勤していい?
それとも電車でまた追っかけてきてくれるの?
外を歩くときは彰登さんにならなきゃいけないわけがあるの?」
「質問攻めかい?
ん~と、できれば車で行きたいね。
歩いてるときに彰登のフリをしたのは、歩きやすいから。
今から7年前くらいと2年前くらいに僕は外出先でとてもひどい目にあって、社長室に引きこもりになったんだ。
その間の社長はね・・・今もある部分そうかもしれないけど、広登がやってくれた。
だから、あの夫婦には頭があがんないんだよ。
僕はこんなふうに頼りないもんだから、いまだに嫁も来ないし、そのままの自分で外出も恐れてる。」
「だけど、徹朗おじいさんは広登さんじゃなくて、直にいを代表にしたのよ。
自信を持っていいと思うわ。」
「へっ?」
「おじいちゃんの遺品とか手紙に目をとおしたの。
私の思ったとおりのおじいちゃんだったわ。
それで・・・おじいちゃんだから直登さんを社長に選んだんだって思ったの。
理由は、よくわかんない。あはは。
郁香のボスにしてあげます!なんてね。」
「お、おぉ。それは光栄の極み・・・。
じゃ、明日は車でな。
それと・・・1つ頼みがある。」
「頼みって何?」
「それは朝にまた詳しく説明する。
明日の午後は広報に来客いれてないよな。」
「いれてないよ。」
「わかった。じゃ、明日な。おやすみ。」
「うん、おやすみなさい。」
(何だろう・・・私に頼みって。
まぁ、直にいが私に頼みがあるなんて、悪い気はしないから楽しみにしよう。)
翌朝、郁香は直登の送迎用の車に乗り込んだ。
そして車が走りだすとすぐに、直登は郁香に頼みたいことを話し始めた。
「夕方からなんだけど、夜にかけて物づくり、住まいづくりがテーマのパーティーがある。
それに僕も出席することになっていて、できれば君に同伴してもらいたいんだ。」
「ぱ・・・あてぃーーー!お誕生日パーティーくらいしか出たことないのに?」
「友達の結婚式くらい出たことはあるだろう?」
「ええ、まだ数少ないですけど。
それに、そういう女性をエスコートして出席するパーティーなら総務や庶務、秘書課にきれいどころがいるんじゃないですか?」
「だめなんだ・・・」
「どうして?私の方が何かと妙な噂になってしまいそうですよ。」
「アレルギーなんだ。」
「はぁ?」
「女性アレルギーで、隠れたくなるし、湿疹は出るし、口がまわらなくなってしまって・・・ビジネスのための会話ができなくなってしまう。」
「あのう・・・つかぬことをお伺いしますけど・・・私もいちおう女性なんですけどねぇ。
私とこうやっていて、何も出ないんですか?」
「うん。不思議なことに出ないんだ。
こうやって郁香の手を握っても出ないだろ?
嘘を言ってるんじゃないからね。
疑うなら会社の秘書の女性の手を握って実験してもいい。
だから・・・いまだに・・・ね・・・ひとりで。」
「あっ・・・そうだったんですか。
克服できずにここまできちゃったんですね・・・。」
「だめかな・・・やっぱり。
どうしても嫌じゃ、しょうがないか・・・広登夫婦に頼んでみるしかないか。」
「そのパーティーは女性を連れていないとダメなんですか?」
「うん、とくに住まいの方はね、女性の観点重視してるからどの代表も頭のいい女性を連れてきてると思うんだ。
郁香がいっしょにいてくれると、僕はアレルギーも出ないし、リラックスして話せるし、デザイン部分も郁香の専門知識が役にたつと思うからとても助かるんだけどなぁ。
頼むっ!午後からの時間を僕にめぐんでやってください。お願いします!」
「直にいにそこまで頭を下げられたら仕方ありませんなぁ。ふふふ
私めでよろしければご同行させていただきましょう。
でもドレスとか持ち合わせがないわ。」
「そこは私めのポケットマネーで何とかいたしますので。」
「よきにはからえ。ぷっ・・・ふふふ。」
「よかった。会社に着いたら、服装とかアクセサリーに詳しい秘書をそっちに行かせるからついて行ってもらって対処して。」
「ラジャ!」
さりげなく、目立ちたくない理由をきいてみたくなったがいい質問が浮かばない。
「明日は直登さんと出勤していい?
それとも電車でまた追っかけてきてくれるの?
外を歩くときは彰登さんにならなきゃいけないわけがあるの?」
「質問攻めかい?
ん~と、できれば車で行きたいね。
歩いてるときに彰登のフリをしたのは、歩きやすいから。
今から7年前くらいと2年前くらいに僕は外出先でとてもひどい目にあって、社長室に引きこもりになったんだ。
その間の社長はね・・・今もある部分そうかもしれないけど、広登がやってくれた。
だから、あの夫婦には頭があがんないんだよ。
僕はこんなふうに頼りないもんだから、いまだに嫁も来ないし、そのままの自分で外出も恐れてる。」
「だけど、徹朗おじいさんは広登さんじゃなくて、直にいを代表にしたのよ。
自信を持っていいと思うわ。」
「へっ?」
「おじいちゃんの遺品とか手紙に目をとおしたの。
私の思ったとおりのおじいちゃんだったわ。
それで・・・おじいちゃんだから直登さんを社長に選んだんだって思ったの。
理由は、よくわかんない。あはは。
郁香のボスにしてあげます!なんてね。」
「お、おぉ。それは光栄の極み・・・。
じゃ、明日は車でな。
それと・・・1つ頼みがある。」
「頼みって何?」
「それは朝にまた詳しく説明する。
明日の午後は広報に来客いれてないよな。」
「いれてないよ。」
「わかった。じゃ、明日な。おやすみ。」
「うん、おやすみなさい。」
(何だろう・・・私に頼みって。
まぁ、直にいが私に頼みがあるなんて、悪い気はしないから楽しみにしよう。)
翌朝、郁香は直登の送迎用の車に乗り込んだ。
そして車が走りだすとすぐに、直登は郁香に頼みたいことを話し始めた。
「夕方からなんだけど、夜にかけて物づくり、住まいづくりがテーマのパーティーがある。
それに僕も出席することになっていて、できれば君に同伴してもらいたいんだ。」
「ぱ・・・あてぃーーー!お誕生日パーティーくらいしか出たことないのに?」
「友達の結婚式くらい出たことはあるだろう?」
「ええ、まだ数少ないですけど。
それに、そういう女性をエスコートして出席するパーティーなら総務や庶務、秘書課にきれいどころがいるんじゃないですか?」
「だめなんだ・・・」
「どうして?私の方が何かと妙な噂になってしまいそうですよ。」
「アレルギーなんだ。」
「はぁ?」
「女性アレルギーで、隠れたくなるし、湿疹は出るし、口がまわらなくなってしまって・・・ビジネスのための会話ができなくなってしまう。」
「あのう・・・つかぬことをお伺いしますけど・・・私もいちおう女性なんですけどねぇ。
私とこうやっていて、何も出ないんですか?」
「うん。不思議なことに出ないんだ。
こうやって郁香の手を握っても出ないだろ?
嘘を言ってるんじゃないからね。
疑うなら会社の秘書の女性の手を握って実験してもいい。
だから・・・いまだに・・・ね・・・ひとりで。」
「あっ・・・そうだったんですか。
克服できずにここまできちゃったんですね・・・。」
「だめかな・・・やっぱり。
どうしても嫌じゃ、しょうがないか・・・広登夫婦に頼んでみるしかないか。」
「そのパーティーは女性を連れていないとダメなんですか?」
「うん、とくに住まいの方はね、女性の観点重視してるからどの代表も頭のいい女性を連れてきてると思うんだ。
郁香がいっしょにいてくれると、僕はアレルギーも出ないし、リラックスして話せるし、デザイン部分も郁香の専門知識が役にたつと思うからとても助かるんだけどなぁ。
頼むっ!午後からの時間を僕にめぐんでやってください。お願いします!」
「直にいにそこまで頭を下げられたら仕方ありませんなぁ。ふふふ
私めでよろしければご同行させていただきましょう。
でもドレスとか持ち合わせがないわ。」
「そこは私めのポケットマネーで何とかいたしますので。」
「よきにはからえ。ぷっ・・・ふふふ。」
「よかった。会社に着いたら、服装とかアクセサリーに詳しい秘書をそっちに行かせるからついて行ってもらって対処して。」
「ラジャ!」