普通に輝くOL
直登の話どおりに、郁香は10時前に秘書から呼びだされ、ブティックに出かけた。
「ひゃあ、私も最近ではちょっと張り込んでお買い物することもできるようになってきたけど、ケタが違うわ!
いいのかなぁ・・・高級品なんて。」
「何を言ってるんですか?今夜のパーティーでは会社の代表、会社の顔として参加してもらわなければならないんですから、お金をかけるべきところでしっかとかけなきゃいけませんよ。」
「そういうものなの?」
「そうですよ。うちはそもそも不動産関係なんですから、ここは値上がりする見込みがある!ってところにはドンと先行投資もやるって会社でしょ?」
「なるほどぉ・・・私の服やアクセサリーや見た目全部って、社長の投資なのね。」
「そうそう、そういうことよ。
うふふ。でも噂通りの面白い感性の人・・・伊佐木さんって。」
「そう?あなたもとてもあの碓井さんの部下とは思えないほどユニークですね。え~と・・・」
「松戸です。松戸みつき。よろしくね。」
「こちらこそ。松戸さんは社長室担当じゃないですよね。」
「ええ、私は営業部長と企画部長付きです。
社長室にいるとうるさくてじゃまなんだそうです。」
「ぷぅ!し、失礼だわ。松戸さんがいれば会話にパアっと花が咲いて明るくなるでしょうに。」
「まぁ・・・私は社長室でなくてよかったと思ってますけどね。」
「やっぱり碓井さんがきびしくて?」
「いえ、碓井さんはほったらかしでも、ぜんぜん大丈夫な上司なんですけど、社長がね・・・。」
「社長がどうかしたの?」
「お忙しいのはもちろんなんですけど、雰囲気的に孤立してるっぽいというか、声をかけられればみんなきいてきちんとやっていくんですけど、ときどきすごくつまらなそうというか、悲しそうな顔をしておられます。」
「悲しそう?・・・あ、社長って単独で話して決めて・・・が確かに多いよね~
どっちかっていうと、年の割にかまってちゃんっぽいとこあるかも・・・。」
「はぁ!?ねえ・・・伊佐木さんってもしかして、社長とつきあってるとか?
だから、パーティーでパートナーを?」
「いえ・・・あなたの考えているお付き合いではないんだけど、直にいは私の保護者という位置の人で私のおじいちゃんの遺言によって同じ家に住まわせてもらってて・・・。」
「同じ家に住んでるの?同棲!」
「だからもう・・・いろいろ家の事情で複雑なんだけど、社長の兄弟もこの会社と取引先にいるのはご存じですよね。」
「みんな同じ大きな家に住んでいて、その家の持ち主が私のおじいちゃんで・・・」
「ああ~なんかわかった。家族ぐるみでつながりがあって、持ち物は伊佐木さんのだけど、管理とか運営を社長が保護者として面倒みてるって感じ?」
「そそそ。それよ。だから、家では直にいって呼んでます。」
「ほぉ~~~だけど。そのお話だと、あなたって資産持ちのお嬢様みたいだから、財産狙いの男がパーティーで寄ってくるんじゃない?
あ、それで社長が・・・ナットク。」
松戸みつきはいろいろと自分でしゃべりまくったあげくに、自分勝手に納得してお店を郁香に紹介した。
みつきはきさくでざっくばらんで、庶民派の話題も豊富ながら、上流社会のことも熟知していて郁香を驚かせた。
「みつきさんすごいわ。どのお店の店長にも顔がきくなんて!」
「お~ほほほ。じつは私ね、こう見えても父が外交官で年の離れた姉が政治家なの。
小さい頃からファッションとか見た目を飾るものは大好きで、好きこそ・・・でいっぱい勉強してたの。」
「へぇ!ステキ、かっこいい。とても勉強になります。」
「もう、おだてたって何も出ないから。
だけど・・・久しぶりにお店まわりがあなたのおかげでとても楽しい時間になったわ。
それに、私の見立てであなたってバッチリ合っちゃうから、すごくうれしいしね。
社長にカードを預かってきたから、限界まで買い物してやろうかしらって思うわ。」
「ブッ・・・それはかわいそうだからやめてあげて。
私もそんなにたくさん着ないから。」
「そうね、次回のパーティーでまた・・・の方が楽しそうだわ。
さぁ、時間もあんまりないし買い忘れないかチェックして、伊佐木さんにはエステにいってもらわないと。」
「ええっ!!!なんかすごいことになってるのね・・・。」
「ひゃあ、私も最近ではちょっと張り込んでお買い物することもできるようになってきたけど、ケタが違うわ!
いいのかなぁ・・・高級品なんて。」
「何を言ってるんですか?今夜のパーティーでは会社の代表、会社の顔として参加してもらわなければならないんですから、お金をかけるべきところでしっかとかけなきゃいけませんよ。」
「そういうものなの?」
「そうですよ。うちはそもそも不動産関係なんですから、ここは値上がりする見込みがある!ってところにはドンと先行投資もやるって会社でしょ?」
「なるほどぉ・・・私の服やアクセサリーや見た目全部って、社長の投資なのね。」
「そうそう、そういうことよ。
うふふ。でも噂通りの面白い感性の人・・・伊佐木さんって。」
「そう?あなたもとてもあの碓井さんの部下とは思えないほどユニークですね。え~と・・・」
「松戸です。松戸みつき。よろしくね。」
「こちらこそ。松戸さんは社長室担当じゃないですよね。」
「ええ、私は営業部長と企画部長付きです。
社長室にいるとうるさくてじゃまなんだそうです。」
「ぷぅ!し、失礼だわ。松戸さんがいれば会話にパアっと花が咲いて明るくなるでしょうに。」
「まぁ・・・私は社長室でなくてよかったと思ってますけどね。」
「やっぱり碓井さんがきびしくて?」
「いえ、碓井さんはほったらかしでも、ぜんぜん大丈夫な上司なんですけど、社長がね・・・。」
「社長がどうかしたの?」
「お忙しいのはもちろんなんですけど、雰囲気的に孤立してるっぽいというか、声をかけられればみんなきいてきちんとやっていくんですけど、ときどきすごくつまらなそうというか、悲しそうな顔をしておられます。」
「悲しそう?・・・あ、社長って単独で話して決めて・・・が確かに多いよね~
どっちかっていうと、年の割にかまってちゃんっぽいとこあるかも・・・。」
「はぁ!?ねえ・・・伊佐木さんってもしかして、社長とつきあってるとか?
だから、パーティーでパートナーを?」
「いえ・・・あなたの考えているお付き合いではないんだけど、直にいは私の保護者という位置の人で私のおじいちゃんの遺言によって同じ家に住まわせてもらってて・・・。」
「同じ家に住んでるの?同棲!」
「だからもう・・・いろいろ家の事情で複雑なんだけど、社長の兄弟もこの会社と取引先にいるのはご存じですよね。」
「みんな同じ大きな家に住んでいて、その家の持ち主が私のおじいちゃんで・・・」
「ああ~なんかわかった。家族ぐるみでつながりがあって、持ち物は伊佐木さんのだけど、管理とか運営を社長が保護者として面倒みてるって感じ?」
「そそそ。それよ。だから、家では直にいって呼んでます。」
「ほぉ~~~だけど。そのお話だと、あなたって資産持ちのお嬢様みたいだから、財産狙いの男がパーティーで寄ってくるんじゃない?
あ、それで社長が・・・ナットク。」
松戸みつきはいろいろと自分でしゃべりまくったあげくに、自分勝手に納得してお店を郁香に紹介した。
みつきはきさくでざっくばらんで、庶民派の話題も豊富ながら、上流社会のことも熟知していて郁香を驚かせた。
「みつきさんすごいわ。どのお店の店長にも顔がきくなんて!」
「お~ほほほ。じつは私ね、こう見えても父が外交官で年の離れた姉が政治家なの。
小さい頃からファッションとか見た目を飾るものは大好きで、好きこそ・・・でいっぱい勉強してたの。」
「へぇ!ステキ、かっこいい。とても勉強になります。」
「もう、おだてたって何も出ないから。
だけど・・・久しぶりにお店まわりがあなたのおかげでとても楽しい時間になったわ。
それに、私の見立てであなたってバッチリ合っちゃうから、すごくうれしいしね。
社長にカードを預かってきたから、限界まで買い物してやろうかしらって思うわ。」
「ブッ・・・それはかわいそうだからやめてあげて。
私もそんなにたくさん着ないから。」
「そうね、次回のパーティーでまた・・・の方が楽しそうだわ。
さぁ、時間もあんまりないし買い忘れないかチェックして、伊佐木さんにはエステにいってもらわないと。」
「ええっ!!!なんかすごいことになってるのね・・・。」