普通に輝くOL
ちょうどその頃・・・広報部に彰登がきていた。
「あれ・・・郁香いないなぁ。」
「おぉ、彰登か。伊佐木なら今日はここには出てこないぞ。
お兄さんからきいてないか?
社長と住宅関連の業者のパーティーに出席するから、今、磨いてもらってる頃だろうな。」
「部長。あのパーティー郁香も出るなんて僕はきいてなかったですよ。
だいたい、直にいが女性同伴のパーティーなんて・・・今までだったら次男の広登夫妻にまわしてたから、今回もそうだとばかり思ってたし。
くそぉ~そんなの早くきいていたら、僕が郁香を誘っていったのに。」
「わははは、社長もなかなかやるな。
しかし・・・彰登もJデザイナーオフィスの副社長だったらパーティー券は持ってるだろ?」
「あ・・・そうだった。
会社にほったらかしだわ。最近はとくに斬新なのも見かけないからって気に留めてもなかったです。」
「ここだけの話だけどな・・・今年はするどい若手がいるらしいぞ。」
「えっ?」
「そもそも社長が出向くきっかけはな、この前の3社デザイナーで集まって話してたあの案件を、飛び入りで参加してきたデザイナーがいてな。
それがかなりのいいものだったわけだ。
そして、今回のパーティーの展示物として、その彼がデザインした作品が並べられるという話だ。」
「へぇ、その新進気鋭のデザイナーは男ですか。年齢は?」
「え~と・・・26才とプロフィールにはあるな。
(僕より若いのか・・・。嫌な予感がする。)
夕方、直登に呼ばれて郁香は社長室を訪れると、直登はすぐに椅子から立ち上がった。
「や、やあ。」
「やあって・・・それだけ?」
「ごめん。いつもとかなり印象が違ったから驚いて言葉がでなくて・・・。
う、うわっ・・・まずいかも・・・じんましんが出たら困る!」
「えっ、ぇえええ!ちょ、どうして・・・。」
「郁香があまりに色っぽいから、僕の体が・・・!あれ・・・れ?
出ない。ホッ・・・。
うん、耐えた。いや、大丈夫だった。
よし、今夜は大丈夫だ、行こう!」
「もう、人騒がせなんだから・・・。(でも、直にいの反応があまりに正直で面白かったわ。)」
会場内では、もういたるところで名刺交換や、お互いの仕事の展望などが語られていた。
直登も入場してから、かなり積極的に国内外の関連事業を営む会社の代表たちと話をしている。
そんな中、郁香はある展示にくぎ付けになっていた。
「あのリビングって・・・なんて斬新な。
彰登さんや私が扱ってきたパターンとはぜんぜん違うわ。
とくに私たちがよく奨める光を利用するやり方とかより明るい感じ・・・からなんて遠のいている感覚。
魔女の館とか悪魔が・・・という印象があるけれど、最後には星や月や砂漠のイメージなどでエンディングがとても幻想的な世界で終わってる。
映画のシーンみたいな・・・誘われちゃうわ。」
「ありがとうございます。とても熱心にご覧いただいていたようですね。」
「もしかして、これはあなたが?」
「はい、最近僕はもともとの自分のイメージ破壊をしましてね。」
「イメージ破壊?」
「部屋だから明るくとか、風が気持ちよく感じるとか・・・結果が当たり前的な世界とかね。
それをあえて破壊してしまって、闇にしてしまったらどうなるのか・・・と問う感じでね。
でも、生きている人間なら、今がたとえ闇でもあとで光がさすかもしれないし、闇が続いてしまっても目が慣れて来るだろう。
なんとか生きるすべを見つけるべく、強さを見つけるだろうってね。
そんなアイデアを膨らませました。」
「すばらしいです。とても前向きな闇の世界なわけですね。
あ、申し遅れました私・・・楢司コーポレーションの伊佐木郁香といいます。」
「あなたが、楢司の広報担当の伊佐木さんでしたか。・・・3社に割り込ませていただいてすみません。
僕は高谷設計のデザイナー担当の長月静留です。
次回の仕事で、そちらに出向くことも増えると思いますが、よろしく。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「あれ・・・郁香いないなぁ。」
「おぉ、彰登か。伊佐木なら今日はここには出てこないぞ。
お兄さんからきいてないか?
社長と住宅関連の業者のパーティーに出席するから、今、磨いてもらってる頃だろうな。」
「部長。あのパーティー郁香も出るなんて僕はきいてなかったですよ。
だいたい、直にいが女性同伴のパーティーなんて・・・今までだったら次男の広登夫妻にまわしてたから、今回もそうだとばかり思ってたし。
くそぉ~そんなの早くきいていたら、僕が郁香を誘っていったのに。」
「わははは、社長もなかなかやるな。
しかし・・・彰登もJデザイナーオフィスの副社長だったらパーティー券は持ってるだろ?」
「あ・・・そうだった。
会社にほったらかしだわ。最近はとくに斬新なのも見かけないからって気に留めてもなかったです。」
「ここだけの話だけどな・・・今年はするどい若手がいるらしいぞ。」
「えっ?」
「そもそも社長が出向くきっかけはな、この前の3社デザイナーで集まって話してたあの案件を、飛び入りで参加してきたデザイナーがいてな。
それがかなりのいいものだったわけだ。
そして、今回のパーティーの展示物として、その彼がデザインした作品が並べられるという話だ。」
「へぇ、その新進気鋭のデザイナーは男ですか。年齢は?」
「え~と・・・26才とプロフィールにはあるな。
(僕より若いのか・・・。嫌な予感がする。)
夕方、直登に呼ばれて郁香は社長室を訪れると、直登はすぐに椅子から立ち上がった。
「や、やあ。」
「やあって・・・それだけ?」
「ごめん。いつもとかなり印象が違ったから驚いて言葉がでなくて・・・。
う、うわっ・・・まずいかも・・・じんましんが出たら困る!」
「えっ、ぇえええ!ちょ、どうして・・・。」
「郁香があまりに色っぽいから、僕の体が・・・!あれ・・・れ?
出ない。ホッ・・・。
うん、耐えた。いや、大丈夫だった。
よし、今夜は大丈夫だ、行こう!」
「もう、人騒がせなんだから・・・。(でも、直にいの反応があまりに正直で面白かったわ。)」
会場内では、もういたるところで名刺交換や、お互いの仕事の展望などが語られていた。
直登も入場してから、かなり積極的に国内外の関連事業を営む会社の代表たちと話をしている。
そんな中、郁香はある展示にくぎ付けになっていた。
「あのリビングって・・・なんて斬新な。
彰登さんや私が扱ってきたパターンとはぜんぜん違うわ。
とくに私たちがよく奨める光を利用するやり方とかより明るい感じ・・・からなんて遠のいている感覚。
魔女の館とか悪魔が・・・という印象があるけれど、最後には星や月や砂漠のイメージなどでエンディングがとても幻想的な世界で終わってる。
映画のシーンみたいな・・・誘われちゃうわ。」
「ありがとうございます。とても熱心にご覧いただいていたようですね。」
「もしかして、これはあなたが?」
「はい、最近僕はもともとの自分のイメージ破壊をしましてね。」
「イメージ破壊?」
「部屋だから明るくとか、風が気持ちよく感じるとか・・・結果が当たり前的な世界とかね。
それをあえて破壊してしまって、闇にしてしまったらどうなるのか・・・と問う感じでね。
でも、生きている人間なら、今がたとえ闇でもあとで光がさすかもしれないし、闇が続いてしまっても目が慣れて来るだろう。
なんとか生きるすべを見つけるべく、強さを見つけるだろうってね。
そんなアイデアを膨らませました。」
「すばらしいです。とても前向きな闇の世界なわけですね。
あ、申し遅れました私・・・楢司コーポレーションの伊佐木郁香といいます。」
「あなたが、楢司の広報担当の伊佐木さんでしたか。・・・3社に割り込ませていただいてすみません。
僕は高谷設計のデザイナー担当の長月静留です。
次回の仕事で、そちらに出向くことも増えると思いますが、よろしく。」
「こちらこそよろしくお願いします。」