普通に輝くOL
挨拶をすませたところで、郁香がそろそろ直登と合流したほうがいいかと移動しようとすると、長月がさっと郁香に手を差し出した。
「えっ!?」
「よろしければ、しばらくいっしょに見学しませんか?
じつは、僕はこの展示にある建築物の内装って初めてなんですよ。」
「うそっ・・・初めてでこれなの?」
「ええ、いつもは・・・っていうか本当の職業は売れない画家なんです。
人物とか風景とかかなり描きこんできたんですけど、僕の作品には生命感がないって先生や批評家からつっこまれちゃって・・・もういっそ、絵ではなくてデザインをやってみたらどうかって先生に勧められてやってみたらウケたというかね。」
「そうだったんですか。どうりで、聞いたことがないお名前だと思っていました。
絵描きさんが・・・それでテーマがしっかりしているんですね。」
「いえ、テーマというかお恥ずかしいですが、これでもロマンチストを気取っているだけなので、お芝居でいうところのプロデューサーぶってるだけです。
簡単にいうと・・・カッコつけたいだけ。」
「だったら私なんか誘うより、もっときらびやかな美女をお連れになったらいいのでは?」
「いやはや・・・手厳しい人だな。
じゃ、言い方を変えます。
僕は、欲張りでもあるので見た目いいだけじゃ不満なのです。
僕の美意識や未知の領域をガンガン刺激してくれる方を募集中だったんです。
そしてなおかつ、話していて楽しくて絵になる女性希望!」
「まぁ・・・プッ・・・ほんとに調子のいい。
イベントが始まるまでの間くらいならいいですよ。」
「イベントのスタッフか何か?」
「いえ、イベントの最初に主催者や偉い人のスピーチなんかが終わったらダンスが始まるんですって。
パートナーを仰せつかっているので、スタンバイしておかないとね。」
「ダンスパーティーだったんだ・・・そこまで知らなかったなぁ。
じゃあさ、相手の人が来る前に少し僕と踊って。
君のパートナーがきたらすぐに帰るからさ。」
「でも・・・きっと曲の始まる時間きっかりにいると思うし。」
「時間にうるさい彼氏なんだ。
へぇ・・・伊佐木さんの相手ってどんなヤツなんだろ。
興味あるなぁ。」
郁香は直登と決めていた場所へと移動しながらも、ずっと傍で長月が話しかけてくることに困っていた。
(いったいこいつ、いつまでくっついて来るつもりなのよ。
あったばかりで調子がいいにしても、しつこすぎるわ。
それに、もしかしたら女子用マンションの仕事狙いなのかも・・・。
あ、やだ、もう曲が始まっちゃう・・・直にい何やってんのかしら。)
「ぉ、曲が始まったよ。彼氏は君には時間厳守を命じたのに、遅刻とはね・・・。
じゃ、1曲目をよろしく。お姫様。」
「えっ、でも・・・」
郁香は周りを見渡したけれど、直登の姿がないので半ばあきらめに長月と踊ることにした。
「かわいそうな姫はかわいそうな僕と楽しんだ方がよさそうだね。
ちょうど次はチークだし・・・役得かな。」
「あ、悪い、そこまでは譲ってないんだよ。
郁香、待たせて悪かった。僕と踊ろう。
留守中郁香の相手をしていただいて、ありがとう。
また近いうちに会うことになると思うけどそのときは容赦しないから。ふふっ」
「彰登さんっ!!!どうして。」
「シッ、今は黙ってチークで合わせてくれ。
緊急事態だ・・・。」
長月が去っていくのを確認してから、郁香は彰登に緊急事態のわけをきいた。
「直にいは今、別室で休ませてもらってるんだ。」
「どうしたの、急病?まさか・・・アレルギー症状とか・・・。」
「いいとこいってるけど、女性アレルギーよりまずい展開でね。」
「えっ!?」
「よろしければ、しばらくいっしょに見学しませんか?
じつは、僕はこの展示にある建築物の内装って初めてなんですよ。」
「うそっ・・・初めてでこれなの?」
「ええ、いつもは・・・っていうか本当の職業は売れない画家なんです。
人物とか風景とかかなり描きこんできたんですけど、僕の作品には生命感がないって先生や批評家からつっこまれちゃって・・・もういっそ、絵ではなくてデザインをやってみたらどうかって先生に勧められてやってみたらウケたというかね。」
「そうだったんですか。どうりで、聞いたことがないお名前だと思っていました。
絵描きさんが・・・それでテーマがしっかりしているんですね。」
「いえ、テーマというかお恥ずかしいですが、これでもロマンチストを気取っているだけなので、お芝居でいうところのプロデューサーぶってるだけです。
簡単にいうと・・・カッコつけたいだけ。」
「だったら私なんか誘うより、もっときらびやかな美女をお連れになったらいいのでは?」
「いやはや・・・手厳しい人だな。
じゃ、言い方を変えます。
僕は、欲張りでもあるので見た目いいだけじゃ不満なのです。
僕の美意識や未知の領域をガンガン刺激してくれる方を募集中だったんです。
そしてなおかつ、話していて楽しくて絵になる女性希望!」
「まぁ・・・プッ・・・ほんとに調子のいい。
イベントが始まるまでの間くらいならいいですよ。」
「イベントのスタッフか何か?」
「いえ、イベントの最初に主催者や偉い人のスピーチなんかが終わったらダンスが始まるんですって。
パートナーを仰せつかっているので、スタンバイしておかないとね。」
「ダンスパーティーだったんだ・・・そこまで知らなかったなぁ。
じゃあさ、相手の人が来る前に少し僕と踊って。
君のパートナーがきたらすぐに帰るからさ。」
「でも・・・きっと曲の始まる時間きっかりにいると思うし。」
「時間にうるさい彼氏なんだ。
へぇ・・・伊佐木さんの相手ってどんなヤツなんだろ。
興味あるなぁ。」
郁香は直登と決めていた場所へと移動しながらも、ずっと傍で長月が話しかけてくることに困っていた。
(いったいこいつ、いつまでくっついて来るつもりなのよ。
あったばかりで調子がいいにしても、しつこすぎるわ。
それに、もしかしたら女子用マンションの仕事狙いなのかも・・・。
あ、やだ、もう曲が始まっちゃう・・・直にい何やってんのかしら。)
「ぉ、曲が始まったよ。彼氏は君には時間厳守を命じたのに、遅刻とはね・・・。
じゃ、1曲目をよろしく。お姫様。」
「えっ、でも・・・」
郁香は周りを見渡したけれど、直登の姿がないので半ばあきらめに長月と踊ることにした。
「かわいそうな姫はかわいそうな僕と楽しんだ方がよさそうだね。
ちょうど次はチークだし・・・役得かな。」
「あ、悪い、そこまでは譲ってないんだよ。
郁香、待たせて悪かった。僕と踊ろう。
留守中郁香の相手をしていただいて、ありがとう。
また近いうちに会うことになると思うけどそのときは容赦しないから。ふふっ」
「彰登さんっ!!!どうして。」
「シッ、今は黙ってチークで合わせてくれ。
緊急事態だ・・・。」
長月が去っていくのを確認してから、郁香は彰登に緊急事態のわけをきいた。
「直にいは今、別室で休ませてもらってるんだ。」
「どうしたの、急病?まさか・・・アレルギー症状とか・・・。」
「いいとこいってるけど、女性アレルギーよりまずい展開でね。」