普通に輝くOL
過去の魔女
彰登と郁香は踊りながらさりげなく、裏庭の方へと出た。
「直にいのところへ行かないんですか?」
「ちょっと前置きだけしておきたくてね。
事情を説明してからでないと、直にいを見たら君も気絶してしまうかもしれないし・・・」
「どういうことですか?」
「僕がここで直にいを見たときから話すね。
たぶん、ダンス会場へ行く途中だったんだろうけど、真っ青な顔をしてしゃがみこんでいてね。
事情をきいたら、あいつらが来てるって言ったんだ。」
「あいつら?どういう人なんですか?」
「名前は竹井元光子と祥子。今は内装や防水なんかで有名な竹井元工業の社長夫人と娘って感じで居座っている母子なんだけど、あの2人は花司の家族だったことがあるんだ。
いや、正確には戸籍上の家族になったのは光子だけだが、祥子は直にいと婚約までしていたんだ。」
「で、直登さんはどうして・・・」
「楢司コーポレーションは楢崎徹朗が社長で僕たちの父親の花司隼登が副社長だった時代があるんだ。
清登が生まれて1年ほどで母が亡くなって一時は仕事一筋だったんだが、息子たちが寄宿舎入りで学校に入ったりして父は寂しさと仕事のストレスから当時ナイトパブのママだった光子と関係をもった。
それで花司の後妻としてやってきたが、直にいが祥子を家に入れるのは嫌がったんだ。」
「私は入れてもらえたのに、どうして祥子さんはダメだったの?」
「祥子は光子の連れ子で僕たちの知らない男の娘だったが、悪い友達と毎日遊び歩いていて素行が悪いことがわかったんだ。
でも、花司の家に光子が入るってことで、1年間祥子はおとなしくして、習い事にふけったりしていた。
更生してがんばるようになったから、父さんが直にいの嫁になったらどうかと提案してしまったんだけど・・・
そこからしばらくして、とうとう2人が本性をあらわし始めたんだ。
あの母子は湯水のように毎晩、浪費を続け、なくなれば父さんに泣きついてお金をもらい、しまいに父さんは会社のお金にまで手を・・・。」
「そんな・・・どうして離婚しなかったの?」
「あの母子を見れば想像つくと思うけど、誘惑されれば男は・・・ね。っていうやつらでね。
怒って出ていかずに泣いて謝罪するタイプは厄介なんだ。
だから会社はその間に・・・ひどいことになってね。
さすがに、徹朗じいちゃんは父さんを解雇するしかなくなってしまったんだ。
そして、直にいを副社長候補にした。
すると・・・とんでもないことが起こったのさ。」
「とんでもない?光子さんは隼登さんについていかなかったの?」
「いっしょに生活はしてたんだけど、それはうわべだけ。
そして、こともあろうに、直にいのベッドに欲深な義母は潜んでいたのさ。」
「ええっ!!!そんな・・・だってまだそのときって直にいは若いでしょ。」
「ああ。直にいはそのとき自分の部屋を変えたくらいさ。
でも、光子はしつこくて何かと直にいにつきまとっていて、それで兄弟みんなでそれをやめさせようとしたら交換条件を出した。
連れ子の祥子と婚約しろってね。」
「それで祥子の方はどうだったの?更生したんでしょ。」
「更生なんかしていなかった。
昔の仲間ともずっとつながっていたのに、社長夫人になるつもりだったらしい。」
「だけど社長夫人にならなかったのは、おじいちゃんのせいね。
おじいちゃんが、本社以外をすべて私に残したから・・・。」
「そうだ。僕らもその処置にびっくりしたけれど、あの母子を追い出すためには納得のいく処置だったよ。
だけど、祥子は直にいにとんでもないことをした。
自分から肉体関係をせまって、妊娠したから慰謝料をよこせと言ったんだ。
最初は子どもを利用して徹朗じいさんの財産を取るつもりだったらしいが、借金だらけの本社だけとわかったら慰謝料と養育費に変更さ。
郁香には悪いけど、徹朗じいさんの邸にみんなで引っ越して、僕たちの家をすべて売り払って直にいは自分の持ち物をすべてなくして慰謝料を払った。」
「養育費は?」
「それが・・・子どもは生まれてからわかったが、兄さんの子じゃなかった。
見ればすぐわかる子だったからね。
で、その子すら今はあの母子のところにはいない。
本当の父親が引き取ったか、あるいは捨てたか・・・。
だから養育費は払っていない。
僕たちが直にいを何とか守ったからね。
その後・・・直にいはアレルギー症状が出て。」
「そんなことがあったんですか。
直にいのお話はそれですべてですか?
だったら、会わせてください。」
「うん。ついてきて・・・。」
「直にいのところへ行かないんですか?」
「ちょっと前置きだけしておきたくてね。
事情を説明してからでないと、直にいを見たら君も気絶してしまうかもしれないし・・・」
「どういうことですか?」
「僕がここで直にいを見たときから話すね。
たぶん、ダンス会場へ行く途中だったんだろうけど、真っ青な顔をしてしゃがみこんでいてね。
事情をきいたら、あいつらが来てるって言ったんだ。」
「あいつら?どういう人なんですか?」
「名前は竹井元光子と祥子。今は内装や防水なんかで有名な竹井元工業の社長夫人と娘って感じで居座っている母子なんだけど、あの2人は花司の家族だったことがあるんだ。
いや、正確には戸籍上の家族になったのは光子だけだが、祥子は直にいと婚約までしていたんだ。」
「で、直登さんはどうして・・・」
「楢司コーポレーションは楢崎徹朗が社長で僕たちの父親の花司隼登が副社長だった時代があるんだ。
清登が生まれて1年ほどで母が亡くなって一時は仕事一筋だったんだが、息子たちが寄宿舎入りで学校に入ったりして父は寂しさと仕事のストレスから当時ナイトパブのママだった光子と関係をもった。
それで花司の後妻としてやってきたが、直にいが祥子を家に入れるのは嫌がったんだ。」
「私は入れてもらえたのに、どうして祥子さんはダメだったの?」
「祥子は光子の連れ子で僕たちの知らない男の娘だったが、悪い友達と毎日遊び歩いていて素行が悪いことがわかったんだ。
でも、花司の家に光子が入るってことで、1年間祥子はおとなしくして、習い事にふけったりしていた。
更生してがんばるようになったから、父さんが直にいの嫁になったらどうかと提案してしまったんだけど・・・
そこからしばらくして、とうとう2人が本性をあらわし始めたんだ。
あの母子は湯水のように毎晩、浪費を続け、なくなれば父さんに泣きついてお金をもらい、しまいに父さんは会社のお金にまで手を・・・。」
「そんな・・・どうして離婚しなかったの?」
「あの母子を見れば想像つくと思うけど、誘惑されれば男は・・・ね。っていうやつらでね。
怒って出ていかずに泣いて謝罪するタイプは厄介なんだ。
だから会社はその間に・・・ひどいことになってね。
さすがに、徹朗じいちゃんは父さんを解雇するしかなくなってしまったんだ。
そして、直にいを副社長候補にした。
すると・・・とんでもないことが起こったのさ。」
「とんでもない?光子さんは隼登さんについていかなかったの?」
「いっしょに生活はしてたんだけど、それはうわべだけ。
そして、こともあろうに、直にいのベッドに欲深な義母は潜んでいたのさ。」
「ええっ!!!そんな・・・だってまだそのときって直にいは若いでしょ。」
「ああ。直にいはそのとき自分の部屋を変えたくらいさ。
でも、光子はしつこくて何かと直にいにつきまとっていて、それで兄弟みんなでそれをやめさせようとしたら交換条件を出した。
連れ子の祥子と婚約しろってね。」
「それで祥子の方はどうだったの?更生したんでしょ。」
「更生なんかしていなかった。
昔の仲間ともずっとつながっていたのに、社長夫人になるつもりだったらしい。」
「だけど社長夫人にならなかったのは、おじいちゃんのせいね。
おじいちゃんが、本社以外をすべて私に残したから・・・。」
「そうだ。僕らもその処置にびっくりしたけれど、あの母子を追い出すためには納得のいく処置だったよ。
だけど、祥子は直にいにとんでもないことをした。
自分から肉体関係をせまって、妊娠したから慰謝料をよこせと言ったんだ。
最初は子どもを利用して徹朗じいさんの財産を取るつもりだったらしいが、借金だらけの本社だけとわかったら慰謝料と養育費に変更さ。
郁香には悪いけど、徹朗じいさんの邸にみんなで引っ越して、僕たちの家をすべて売り払って直にいは自分の持ち物をすべてなくして慰謝料を払った。」
「養育費は?」
「それが・・・子どもは生まれてからわかったが、兄さんの子じゃなかった。
見ればすぐわかる子だったからね。
で、その子すら今はあの母子のところにはいない。
本当の父親が引き取ったか、あるいは捨てたか・・・。
だから養育費は払っていない。
僕たちが直にいを何とか守ったからね。
その後・・・直にいはアレルギー症状が出て。」
「そんなことがあったんですか。
直にいのお話はそれですべてですか?
だったら、会わせてください。」
「うん。ついてきて・・・。」