普通に輝くOL
郁香は先に玄関を入ると、大きな声をあげた。
「ただいまぁ!誰かいる?」
「おぉ、おかえり~思ったより早かったんだな。
あれ・・・彰登、おまえ今日はここに泊まっていくのか?」
直登が2人を迎えると奥から清登も走ってきた。
「彰にいが泊まるの?あ、おかえり。優にいは今お風呂だよ。」
「彰登さんはこれから、ここに住んでくれるんですって。
だから、これからダイニングでおやつパーティーにしちゃおうと思って。」
「いや、僕は・・・そんな歓迎行事はべつに・・・」
「どうしてですか?家族のところに帰ってきたんじゃないですか。
2次会がわりだと思ってダイニングで・・・」
「兄弟でパーティーなんてごめんだ!
2次会がわりのパーティーなら、君の部屋で君と2人でなら参加する。」
「えっ・・・。」
「彰登・・・おまえ。」
「ああ、僕は兄さんのイヤラシイ魔の手から郁香を守るために、ここにもどってきたんだよ。」
「はぁ?」
「彰にい、直にいがイヤラシイのは今に始まったことじゃないだろ。
おっさんだから、郁香をやたら触りたがったり、かわいくて仕方がないのはサガなんだって。」
「おい、清登!」
「直にいは、郁香が入社する前から郁香のことを知っていて、わざと自分が直接面接までして入社させた上に、タイミングあわせてこの家に移り住んで、そして郁香をこの家へと呼び込んだ!
計画的スケベ犯行だ!しかも、ちょくちょく郁香をストーカーしてるしな!」
「ええっ!」
「うぉ、直にいが社長の皮をかぶって裏ではストーカーだったとは・・・。
そこまでのおっさん根性があったなんて!!・・・・・それやりすぎだろ。」
「それが本当だとしたら、俺も気に入らないな。彰にいと同じく郁香を守らないとな。」
「優登、おまえまでそんな・・・。
僕は、その・・・確かに1年以上前から彼女を知っていた。面接もした。
だがなっ、面接で優遇したりなんて一切していない。
現に一般社員の面接試験を郁香は受けたんだから、その後もみんな平等に審査した。
嘘だと思うなら、前の人事部長の朝田さんにきいてもらえばわかる。
彼は定年前だったから面接試験にはいつもよりまして信念を持って行なっていた。
僕にすべてを伝えたいと言っていたくらいだ。
だから、僕は肩書きを偽って勉強させてもらう気であの場にいた。それだけだ。」
「ではストーカー行為は、どう説明する?」
「それは、いつ郁香に事実を打ち明けたらいいかタイミングを狙っていただけだ。
突然、社長の孫だと言われたら驚くだろうし、何を相続すると説明するには時間がいるし。
しかも、この家は君の家だから住みなさい。でも僕たち兄弟を住まわせてくださいなんて、どうやって説明がいくものか・・・困ってた。」
「ずっとひとりで悩んでいたというのか?」
「いや、悩みは広登が知っていたし、きいてもらったり、文句を言われたりしたよ。
広登は早くから、家庭を持ってたから日常が変わることはないし、奥さんからの支援もあったから花司家にかかわって奥さんの家に迷惑がかかるのを恐れていたからね。」
「直にい・・・広にいだけに話すなんて水くさいじゃないか。
ここに暮らす兄弟にだけでも相談があってもよかったのに・・・。
俺なんか、郁香と同じ学年なんだぜ。
今だって・・・ぜんぜん抵抗がないなんて言えないんだからな。」
「すまん、優登・・・。
今は、仲良くやっているようでいいが、郁香が入社したばかりの頃のおまえは、仕事をまずおぼえるのに必死で同年代の女の子なんてめんどくさがっていただろう?
そこで同い年の女の子が同居するなんて相談したら・・・なぁ。どうなっていたか。」
「ま、まぁ・・・すぐに追いだしただろうな。」
「だから・・・ここまでにこぎつけるのに1年以上かかってしまった。
その間に、もしも・・・もしも郁香が会社をやめてしまうようなことになったら・・・会社をやめるような問題を起こしてしまったら・・・って心配もあったし、ときどき様子をみるのが習慣になってしまった。」
「私は問題も起こさなかったし、現在もやめていません。
前よりもっともっとやりがいのあるお仕事をさせてもらっています。
それに、すべてを知ってしまったら会社をやめることになっても、この家からは出ていかなくていいのも知ってるわけです。
私が相続したものは私の許可がなければどうしようもできないのでしょ?
それで、直にいに相談したいこともあったんです。」
「なんだ?」
「別荘の土地と建物なんですけど、1つは別荘で置いてもいいかなって思うんですけど、あとは売却したいんです。
そして、1つは会社の福利厚生に使っていただけたらって。
前もそうだったんでしょう?テニスコートがあるところです。」
「ああ、徹朗じいさんが若い社員たちをよく研修していたところだ。
そこをまた復活させるということか?」
「ええ、でも私には現在、動かせる資金がないので改造費用とか出せませんし、どう運営すればいいのか、管理人さんをどう採用すればいいのかも・・・わからなくて。」
「そうか・・・それなら僕が請け負おう。
楢司の社員が使用するものということなら、役員会をすればほとんど解決するだろう。」
「ただいまぁ!誰かいる?」
「おぉ、おかえり~思ったより早かったんだな。
あれ・・・彰登、おまえ今日はここに泊まっていくのか?」
直登が2人を迎えると奥から清登も走ってきた。
「彰にいが泊まるの?あ、おかえり。優にいは今お風呂だよ。」
「彰登さんはこれから、ここに住んでくれるんですって。
だから、これからダイニングでおやつパーティーにしちゃおうと思って。」
「いや、僕は・・・そんな歓迎行事はべつに・・・」
「どうしてですか?家族のところに帰ってきたんじゃないですか。
2次会がわりだと思ってダイニングで・・・」
「兄弟でパーティーなんてごめんだ!
2次会がわりのパーティーなら、君の部屋で君と2人でなら参加する。」
「えっ・・・。」
「彰登・・・おまえ。」
「ああ、僕は兄さんのイヤラシイ魔の手から郁香を守るために、ここにもどってきたんだよ。」
「はぁ?」
「彰にい、直にいがイヤラシイのは今に始まったことじゃないだろ。
おっさんだから、郁香をやたら触りたがったり、かわいくて仕方がないのはサガなんだって。」
「おい、清登!」
「直にいは、郁香が入社する前から郁香のことを知っていて、わざと自分が直接面接までして入社させた上に、タイミングあわせてこの家に移り住んで、そして郁香をこの家へと呼び込んだ!
計画的スケベ犯行だ!しかも、ちょくちょく郁香をストーカーしてるしな!」
「ええっ!」
「うぉ、直にいが社長の皮をかぶって裏ではストーカーだったとは・・・。
そこまでのおっさん根性があったなんて!!・・・・・それやりすぎだろ。」
「それが本当だとしたら、俺も気に入らないな。彰にいと同じく郁香を守らないとな。」
「優登、おまえまでそんな・・・。
僕は、その・・・確かに1年以上前から彼女を知っていた。面接もした。
だがなっ、面接で優遇したりなんて一切していない。
現に一般社員の面接試験を郁香は受けたんだから、その後もみんな平等に審査した。
嘘だと思うなら、前の人事部長の朝田さんにきいてもらえばわかる。
彼は定年前だったから面接試験にはいつもよりまして信念を持って行なっていた。
僕にすべてを伝えたいと言っていたくらいだ。
だから、僕は肩書きを偽って勉強させてもらう気であの場にいた。それだけだ。」
「ではストーカー行為は、どう説明する?」
「それは、いつ郁香に事実を打ち明けたらいいかタイミングを狙っていただけだ。
突然、社長の孫だと言われたら驚くだろうし、何を相続すると説明するには時間がいるし。
しかも、この家は君の家だから住みなさい。でも僕たち兄弟を住まわせてくださいなんて、どうやって説明がいくものか・・・困ってた。」
「ずっとひとりで悩んでいたというのか?」
「いや、悩みは広登が知っていたし、きいてもらったり、文句を言われたりしたよ。
広登は早くから、家庭を持ってたから日常が変わることはないし、奥さんからの支援もあったから花司家にかかわって奥さんの家に迷惑がかかるのを恐れていたからね。」
「直にい・・・広にいだけに話すなんて水くさいじゃないか。
ここに暮らす兄弟にだけでも相談があってもよかったのに・・・。
俺なんか、郁香と同じ学年なんだぜ。
今だって・・・ぜんぜん抵抗がないなんて言えないんだからな。」
「すまん、優登・・・。
今は、仲良くやっているようでいいが、郁香が入社したばかりの頃のおまえは、仕事をまずおぼえるのに必死で同年代の女の子なんてめんどくさがっていただろう?
そこで同い年の女の子が同居するなんて相談したら・・・なぁ。どうなっていたか。」
「ま、まぁ・・・すぐに追いだしただろうな。」
「だから・・・ここまでにこぎつけるのに1年以上かかってしまった。
その間に、もしも・・・もしも郁香が会社をやめてしまうようなことになったら・・・会社をやめるような問題を起こしてしまったら・・・って心配もあったし、ときどき様子をみるのが習慣になってしまった。」
「私は問題も起こさなかったし、現在もやめていません。
前よりもっともっとやりがいのあるお仕事をさせてもらっています。
それに、すべてを知ってしまったら会社をやめることになっても、この家からは出ていかなくていいのも知ってるわけです。
私が相続したものは私の許可がなければどうしようもできないのでしょ?
それで、直にいに相談したいこともあったんです。」
「なんだ?」
「別荘の土地と建物なんですけど、1つは別荘で置いてもいいかなって思うんですけど、あとは売却したいんです。
そして、1つは会社の福利厚生に使っていただけたらって。
前もそうだったんでしょう?テニスコートがあるところです。」
「ああ、徹朗じいさんが若い社員たちをよく研修していたところだ。
そこをまた復活させるということか?」
「ええ、でも私には現在、動かせる資金がないので改造費用とか出せませんし、どう運営すればいいのか、管理人さんをどう採用すればいいのかも・・・わからなくて。」
「そうか・・・それなら僕が請け負おう。
楢司の社員が使用するものということなら、役員会をすればほとんど解決するだろう。」