普通に輝くOL
郁香たちは元別荘だったすずらん荘へと出かけ、新しくなった部分を見てまわり、以前古いマンションから出るに出られなかった状況のお年寄りたちに出会った。
いちばん動けないと思われたおばあさんの作品が、玄関の正面に飾ってあることに郁香は感動し、最近ではご近所の女性たちが手芸教室と称してよく彼女を訪ねてくるのだそうだ。
庭も庭師だったおじいさんのおかげで見違えるようにきれいになり、お金をなるべくかけないでご近所の邸のいらない木の苗をもらったりして小さな森もできたらしい。
料理も新しく料理長を迎えてそのスタッフには年齢制限がない。
年齢制限がないというと、すずらん荘のスタッフそのものに制限がないことになっていた。
「採用条件はどうかな?」
「最高よ。年金などの調整はあるだろうけど、これからは第2第3の人生の心配のいる時代なんだし、なるべく生涯現役でいてほしわ。」
「僕らもかな?」
「さぁ?」
「僕は郁香には現役を続けてほしいな。」
「まぁ、私は生涯独身を貫く気はありませんからねっ!」
「独身を貫く?そんなことはしなくていいよ。
プライベートは何でもあり。で・・・うちで何らかの仕事をこなしていてほしいなって思っただけ。
ちなみに僕は料理、洗濯、炊事、育児までこなしていく気はあるんだ。」
「そ、そうですか・・・。それはそれはがんばって。」
「はぁ・・・つきあいの悪いヤツ。
今のはかなりのアプローチをかけたつもりなのに。」
「ぷっ・・・。それでですか。」
「バカにしてるな。けど、しょうがないか・・・僕は煮え切らない男だからなぁ。」
そんな会話をかわしていると、社長へ取り次いでほしいと郁香に電話がかかってきた。
「あなた新しい秘書?直登はあなたといるの?」
「はい、失礼ですがどちら様でいらっしゃいますか?」
「私は美代子、高下美代子よ。そういえばわかるわ。
じっくりと話をしなきゃならないの。
今夜、逢えないかしら?」
「ただいま出張先でして、今夜はこちらに滞在いたしますので、
明日以降でないと・・・」
「じゃ、明日の夜って言っておいてよ。じゃあ。」
「あ、あの・・・もしもし!高下様・・・」
「どうした?僕にじゃなかったのか?」
「あの、高下美代子って女性からの電話で、直登さんとじっくり話したいって。
明日の夜会ってほしいって。」
「高下?美代子さん?うーーーん・・・誰だろうか?
これからもそういうパターンがあるかもしれないから、言っておくけど、そういう仕事以外の女性が個人的に会ってほしいっていう用件はすべて断ってくれ。
過去にほら、僕はそんな感じの女性にろくなめにあわされていないから。
アレルギーがあるのに、弱ったなぁ・・・。」
「じゃ、私が会ってみます。
用件をきいてあげるくらいしてあげてもいいんじゃないかしら。」
「じゃあ、お手数かけるけど頼むよ。
僕がアレルギーの心配なく触れられるのは、郁香だけだ。」
チュッ・・・
「えっ!あの・・・直登さん?」
「場所が変わって、こういう田舎だと気持ちが止められなくなるみたいだ。
さあ、おいで。
僕の部屋で続きを・・・」
「ウソでしょう?」
「大真面目ですが。誘いをけるなら、ここでぶちのめすなり、自分の部屋に逃げていくなりして。
今日の僕は、碓井の加護を受けているから超強気モードなんだけど。
あれ・・・どうした?何もしてこないのかい?
まさか・・・君、郁香・・・ええっ・・・。」
「私も田舎の解放感になじみすぎちゃったみたい・・・。」
「後悔しないんだね。・・・じゃ、どうぞ。」
すずらん荘での夜に郁香は直登の部屋で朝まで過ごしたのだった。
いちばん動けないと思われたおばあさんの作品が、玄関の正面に飾ってあることに郁香は感動し、最近ではご近所の女性たちが手芸教室と称してよく彼女を訪ねてくるのだそうだ。
庭も庭師だったおじいさんのおかげで見違えるようにきれいになり、お金をなるべくかけないでご近所の邸のいらない木の苗をもらったりして小さな森もできたらしい。
料理も新しく料理長を迎えてそのスタッフには年齢制限がない。
年齢制限がないというと、すずらん荘のスタッフそのものに制限がないことになっていた。
「採用条件はどうかな?」
「最高よ。年金などの調整はあるだろうけど、これからは第2第3の人生の心配のいる時代なんだし、なるべく生涯現役でいてほしわ。」
「僕らもかな?」
「さぁ?」
「僕は郁香には現役を続けてほしいな。」
「まぁ、私は生涯独身を貫く気はありませんからねっ!」
「独身を貫く?そんなことはしなくていいよ。
プライベートは何でもあり。で・・・うちで何らかの仕事をこなしていてほしいなって思っただけ。
ちなみに僕は料理、洗濯、炊事、育児までこなしていく気はあるんだ。」
「そ、そうですか・・・。それはそれはがんばって。」
「はぁ・・・つきあいの悪いヤツ。
今のはかなりのアプローチをかけたつもりなのに。」
「ぷっ・・・。それでですか。」
「バカにしてるな。けど、しょうがないか・・・僕は煮え切らない男だからなぁ。」
そんな会話をかわしていると、社長へ取り次いでほしいと郁香に電話がかかってきた。
「あなた新しい秘書?直登はあなたといるの?」
「はい、失礼ですがどちら様でいらっしゃいますか?」
「私は美代子、高下美代子よ。そういえばわかるわ。
じっくりと話をしなきゃならないの。
今夜、逢えないかしら?」
「ただいま出張先でして、今夜はこちらに滞在いたしますので、
明日以降でないと・・・」
「じゃ、明日の夜って言っておいてよ。じゃあ。」
「あ、あの・・・もしもし!高下様・・・」
「どうした?僕にじゃなかったのか?」
「あの、高下美代子って女性からの電話で、直登さんとじっくり話したいって。
明日の夜会ってほしいって。」
「高下?美代子さん?うーーーん・・・誰だろうか?
これからもそういうパターンがあるかもしれないから、言っておくけど、そういう仕事以外の女性が個人的に会ってほしいっていう用件はすべて断ってくれ。
過去にほら、僕はそんな感じの女性にろくなめにあわされていないから。
アレルギーがあるのに、弱ったなぁ・・・。」
「じゃ、私が会ってみます。
用件をきいてあげるくらいしてあげてもいいんじゃないかしら。」
「じゃあ、お手数かけるけど頼むよ。
僕がアレルギーの心配なく触れられるのは、郁香だけだ。」
チュッ・・・
「えっ!あの・・・直登さん?」
「場所が変わって、こういう田舎だと気持ちが止められなくなるみたいだ。
さあ、おいで。
僕の部屋で続きを・・・」
「ウソでしょう?」
「大真面目ですが。誘いをけるなら、ここでぶちのめすなり、自分の部屋に逃げていくなりして。
今日の僕は、碓井の加護を受けているから超強気モードなんだけど。
あれ・・・どうした?何もしてこないのかい?
まさか・・・君、郁香・・・ええっ・・・。」
「私も田舎の解放感になじみすぎちゃったみたい・・・。」
「後悔しないんだね。・・・じゃ、どうぞ。」
すずらん荘での夜に郁香は直登の部屋で朝まで過ごしたのだった。