普通に輝くOL
2人が社長室にもどってみると、広登が少し睨んでいるような目で2人を迎えた。
「社用車も使わず、2人だけでどこに行っておられたのやら?」
「あ、会議終わってたんだね、急な交代で済まなかったね。ありがとう・・・で。
僕たちはおまえの知り合いっていう女性に会ってきたんだ。
高下美代子って名前の女性の記憶はあるか?」
「高下?美代子?・・・そんな名前知りません。
だいたい僕は妻子がいるんです。
生活態度だって兄さんや弟たちに比べてずっと品行方正だと思ってますけどね。」
「だろうね。
でも、あちらさんはおまえの子を身ごもったと言ってこられたものでね。
ちょっとだけ記憶を呼び戻してほしいんだけど、ビジネスホテルで夜明けから朝までなぐさめてあげた思い出は?」
「そんなの僕にはあるわけがな・・・いや・・・えっ?
もしかして・・・そんな・・・違う。
それは誤解だ!
あの時の彼女だとしたら、誤解なんだ!
2人の間にはそういう関係することは何もない。
ただ、ホテルの廊下で倒れて眠っていた彼女を、僕の部屋に入れて話をきいて介抱しただけだ。
妊娠するわけなんかない!」
「へえ。おまえがそんなことを・・・なかなかやるもんだね。」
「ち、違うから。兄さん、信じてくれよ。
あの出張だって兄さんが行く予定だったのに、郁香を説得するだの、部屋を用意するだのって勝手なことを始めたから僕が代わりに行ったんだからな。
とにかく、ややこしくなるのは困るから、僕が彼女に説明したい。
きっと勘違いしてるんだ。
確か彼女を見たのは、ホテルのラウンジで僕とは別の男と飲んでる姿を見た。
たぶん、その男と・・・。」
「けどなぁ・・・高下美代子がその話を信じなかったらどうする?
話の中ではおまえの前の男の話なんてしてなかったぞ。
記憶の中にないんじゃないのか?
だったら、子どもが生まれてしまうまでの長期戦になる。
DNA鑑定が終わるまで詩織さんに隠し通せればいいけど、妊娠中の女性はどう出てくるかわからないぞ。」
「脅さないでくれよ。ほんとに困るよ。
認知しろだの言われて、間違いだとわかっても僕は家庭を失ってしまいかねないじゃないか!
とにかく長期戦になった場合は、兄さんの関係した女ってことにでもしてくれよ。」
「なんで僕がそうなる?彼女は僕みたいな若造は趣味じゃないらしいぞ。」
「若造?なにそれ?兄さんは僕より年上じゃないか。
弟が家庭崩壊の危機にさらされてうれしいのか?
それとも、詩織にまたアプローチでもかけようとしてるのか?」
「詩織さんにアプローチ???」
「おい、郁香、妙な詮索はするなよ。
広登が昔から女性にはっきりしないで、好きなのに仕事しようとするから僕は詩織さんに説明してあげただけだぞ。
詩織さんもそりゃ、触れてもアレルギーが出ない女性ではあるけど、それは親戚だからであってだなぁ・・・。」
「詩織さんもアレルギーの出ない女性なのね。
私と同じく・・・気に入った人なのね。」
「だから、それはその・・・甥っ子と遊ぶのにその母親だから家族の概念でだな・・・小夜と同じ扱いっていうか、安全な女性ってだけだって。
もしかして・・・今、嫉妬してくれた?」
「いいえ、ぜんぜん!」
「ふふ、してくれてる。とにかく、誤解だのどうのっていうなら、広登が話すのがいちばんだから、おまえが彼女にわかるように説明しろ。
それで納得してもらわないと、我が家で波風が立つことになる。
わかったな、広登。」
「そうだね・・・わかったよ。とにかく、僕のわかる範囲で説明してみるから、連絡先を教えてくれ。」
直登は広登に高下美代子の連絡先を伝えた。
広登が社長室を出ていってから、郁香がこそっと直登に
「広登さん困ってましたね。やっぱりここは・・・」
「高下美代子について調べておいた方がいいね。
調査してもらうから、つないでくれる?」
「はい。さすがお兄さまですね。」
「そこでは直登で言ってほしかったよ。
今夜あたりは、僕も君を朝までなぐさめてあげたいんだけどな・・・。」
「遠慮します。私は今日は残業ですし。」
「あれ?何かあったかな・・・」
「堂原学院の管理状況をまとめないと。
こちらがきちんとしていなければ、あの香西さんに言い値をつけられてしまいますよ。」
「香西か・・・。郁香、あいつと君は直接交渉は絶対するなよ。
ヘタをすればあいつは君を妊娠させてしまうタイプの男だからな。」
「そ、そんな隙なんてみせません!仕事は仕事です。」
「社用車も使わず、2人だけでどこに行っておられたのやら?」
「あ、会議終わってたんだね、急な交代で済まなかったね。ありがとう・・・で。
僕たちはおまえの知り合いっていう女性に会ってきたんだ。
高下美代子って名前の女性の記憶はあるか?」
「高下?美代子?・・・そんな名前知りません。
だいたい僕は妻子がいるんです。
生活態度だって兄さんや弟たちに比べてずっと品行方正だと思ってますけどね。」
「だろうね。
でも、あちらさんはおまえの子を身ごもったと言ってこられたものでね。
ちょっとだけ記憶を呼び戻してほしいんだけど、ビジネスホテルで夜明けから朝までなぐさめてあげた思い出は?」
「そんなの僕にはあるわけがな・・・いや・・・えっ?
もしかして・・・そんな・・・違う。
それは誤解だ!
あの時の彼女だとしたら、誤解なんだ!
2人の間にはそういう関係することは何もない。
ただ、ホテルの廊下で倒れて眠っていた彼女を、僕の部屋に入れて話をきいて介抱しただけだ。
妊娠するわけなんかない!」
「へえ。おまえがそんなことを・・・なかなかやるもんだね。」
「ち、違うから。兄さん、信じてくれよ。
あの出張だって兄さんが行く予定だったのに、郁香を説得するだの、部屋を用意するだのって勝手なことを始めたから僕が代わりに行ったんだからな。
とにかく、ややこしくなるのは困るから、僕が彼女に説明したい。
きっと勘違いしてるんだ。
確か彼女を見たのは、ホテルのラウンジで僕とは別の男と飲んでる姿を見た。
たぶん、その男と・・・。」
「けどなぁ・・・高下美代子がその話を信じなかったらどうする?
話の中ではおまえの前の男の話なんてしてなかったぞ。
記憶の中にないんじゃないのか?
だったら、子どもが生まれてしまうまでの長期戦になる。
DNA鑑定が終わるまで詩織さんに隠し通せればいいけど、妊娠中の女性はどう出てくるかわからないぞ。」
「脅さないでくれよ。ほんとに困るよ。
認知しろだの言われて、間違いだとわかっても僕は家庭を失ってしまいかねないじゃないか!
とにかく長期戦になった場合は、兄さんの関係した女ってことにでもしてくれよ。」
「なんで僕がそうなる?彼女は僕みたいな若造は趣味じゃないらしいぞ。」
「若造?なにそれ?兄さんは僕より年上じゃないか。
弟が家庭崩壊の危機にさらされてうれしいのか?
それとも、詩織にまたアプローチでもかけようとしてるのか?」
「詩織さんにアプローチ???」
「おい、郁香、妙な詮索はするなよ。
広登が昔から女性にはっきりしないで、好きなのに仕事しようとするから僕は詩織さんに説明してあげただけだぞ。
詩織さんもそりゃ、触れてもアレルギーが出ない女性ではあるけど、それは親戚だからであってだなぁ・・・。」
「詩織さんもアレルギーの出ない女性なのね。
私と同じく・・・気に入った人なのね。」
「だから、それはその・・・甥っ子と遊ぶのにその母親だから家族の概念でだな・・・小夜と同じ扱いっていうか、安全な女性ってだけだって。
もしかして・・・今、嫉妬してくれた?」
「いいえ、ぜんぜん!」
「ふふ、してくれてる。とにかく、誤解だのどうのっていうなら、広登が話すのがいちばんだから、おまえが彼女にわかるように説明しろ。
それで納得してもらわないと、我が家で波風が立つことになる。
わかったな、広登。」
「そうだね・・・わかったよ。とにかく、僕のわかる範囲で説明してみるから、連絡先を教えてくれ。」
直登は広登に高下美代子の連絡先を伝えた。
広登が社長室を出ていってから、郁香がこそっと直登に
「広登さん困ってましたね。やっぱりここは・・・」
「高下美代子について調べておいた方がいいね。
調査してもらうから、つないでくれる?」
「はい。さすがお兄さまですね。」
「そこでは直登で言ってほしかったよ。
今夜あたりは、僕も君を朝までなぐさめてあげたいんだけどな・・・。」
「遠慮します。私は今日は残業ですし。」
「あれ?何かあったかな・・・」
「堂原学院の管理状況をまとめないと。
こちらがきちんとしていなければ、あの香西さんに言い値をつけられてしまいますよ。」
「香西か・・・。郁香、あいつと君は直接交渉は絶対するなよ。
ヘタをすればあいつは君を妊娠させてしまうタイプの男だからな。」
「そ、そんな隙なんてみせません!仕事は仕事です。」