普通に輝くOL
直登は香西のことも調べあげていた。
彰登から、よからぬ噂をきいていたのが原因だったが、過去に3人女性を妊娠させたことが確認されていた。
(確かに仕事はできる男のようだが、女癖が悪い。
見た目が彰登に似ているのを利用して、妊娠騒ぎはべつとしても女性とのトラブルを彰登になすりつけたことも多かったのはわかる。
僕もその罠にはまらないようにしなきゃいけないな。
それにしても・・・心配なのは郁香だ。
今のできちんと聞いてくれたとは思いにくいな・・・隙なんてみせないなんてなぁ。
ちょっと手を握ったり、キスしようとしただけでも隙だらけになることをわかってないんだからなぁ。)
そんな心配をしている直登のところに、夕方彰登から電話がかかってきた。
「直にい、香西明之と仕事をするって本当なのか?」
「ああ、堂原学院の学生寮の仕事だ。
大口の仕事だからキャンセルなんてできないだろ。
おまえと香西とのいきさつはもう知っているし、香西のこともすべて調べたから心配していることはわかるけどな。」
「なぁ、堂原学院の仕事に関しては秘書を優登に交代させたらどうかと思うんだが・・・。」
「ほぅ・・・おまえも郁香が狙われてると思って電話をくれたのか?」
「ああ。でも一度面識ができてしまった以上、アプローチをかけてくるのはどうしようもできないぞ。
あいつはそういう男だ。
かといって郁香を四六時中監視してまわるわけにもいかないしな。
せめて、堂原学院に出向くときだけでも離しておくのがいいと思う。」
「そんなにしつこいのか?」
「ああ、とくに郁香みたいに仕事を優先したいとか、仕事中にくどいてくる男にきびしい女は逆効果だ。
難問好きのクイズマニアと同じさ。
俺はあいつのせいで、素性のぜんぜん知らない女の子どもを認知させられそうになったことがある。
郁香がそんなことになったら大変だろ。
くそう・・・思いだしたら悔しくなってきた。
いっそのこと郁香と先に俺が結婚して既成事実を作っておくかなぁ。」
「バカいえっ!それじゃおまえも香西と変わらないじゃないか!
とにかく郁香の意思が一番でない限りだめだ。
だいたいだな、仕事中に色仕掛けはまったくもってけしからん話だ。
だが、忠告はきいておく。
郁香と優登の異動案はやってみようと思う。」
「そうか、やっぱり電話してよかったよ。
頼むぜ、直にい。
あ、それとさ・・・広にいは何かあったのか?
突然、邸にやってきて清登にしばらく厄介になるとか言ってたけど・・・。
嫁さんに追い出されるような事件があったのかなぁ。」
「ぬぁにぃーーーーーー!いつのまにそんなことになってるんだ。
よし、今夜そっちに行く。
たぶん、女性問題と妊娠騒ぎに違いない。」
「おぃおい・・・なんか面白そうだな。
あのいつも冷静をきどってる広にいがあせりまくってさ。
詳しい話を俺たちにもきかせてくれよ。」
「とにかく、広登にまず話をきいてからだ。
じゃあ、また後でな。」
(ふぅ・・・なんでそんなにひどいことになってるんだ?
もしかして、あの女が広登の家まで押しかけたのだろうか。
くそっ・・・できれば今夜は郁香に守る意思を伝えたかったのに。)
直登は郁香にどの話題から話そうか迷ったあげく、まず邸に広登が住んでいる話からきりだした。
そして、夜に広登に高下美代子のことがどうこじれてしまったのか話を聞きに行くことを伝えた。
「私も行きます。
まさか高下さんが、そんなに行動力のある女性だったなんてびっくりだもの。
それにしても、家庭におしかけて子どももいるところで修羅場状態なんて・・・あまりにやり方が・・・。
広登さんに落ち度があっても奥さんや子どもさんは何も知らないのにいきなり、責任をつきつけられてショックだったでしょうに。」
「だがなぁ・・・僕は広登をかばうわけじゃないけど、あいつ・・・そんな大それたことはしないやつだと思うんだ。
言い方とか嫌味なヤツだけどな。
人の道をはずれるようなことはいちばんやらない堅実な男なんだよ。広登は・・・。
それだけはわかってやってくれないかなぁ。
郁香に少し意地が悪かったのだって、普通の娘さんは・・・っていうのが頭にあるからでそういう真面目気質が言わせただけなんだしな。」
「それはわかります。わかりますけど・・・。
でも、広登さんはお金の面でずっと不満を言い続けているし、現実的かもしれないけど視野がせまい人だわ。」
「あのさ・・・じゃ、僕はどういう男かな?」
「それは・・・言いたくありません。
本題とは関係ないですし・・・。」
「僕は、お金にはある意味無頓着で働けば何とかなるなんて思ってるけど・・・郁香に不満は言わないよ。
郁香は自分の力で僕の会社にやってきてくれた。
それは僕がいちばんわかってるし、うれしかった。
じいさんの財産はそのご褒美でいいじゃないかって思うよ。
そのちっちゃな手でずっとひとりぼっちでがんばってきたんだから、もらって当然のものだ。
な~~んて言っておいて邸に勝手に兄弟で住まわせてもらってたんだがな・・・ははは。」
「それはもう気にしないで住んでいてください。
あ、でも今は・・・同棲してました。」
「な、なぁ郁香・・・広登の話は邸でするとして・・・それより前に相談がある。
彰登からとんでもない情報が入ってな。」
「何でしょうか。私に関係あること?」
彰登から、よからぬ噂をきいていたのが原因だったが、過去に3人女性を妊娠させたことが確認されていた。
(確かに仕事はできる男のようだが、女癖が悪い。
見た目が彰登に似ているのを利用して、妊娠騒ぎはべつとしても女性とのトラブルを彰登になすりつけたことも多かったのはわかる。
僕もその罠にはまらないようにしなきゃいけないな。
それにしても・・・心配なのは郁香だ。
今のできちんと聞いてくれたとは思いにくいな・・・隙なんてみせないなんてなぁ。
ちょっと手を握ったり、キスしようとしただけでも隙だらけになることをわかってないんだからなぁ。)
そんな心配をしている直登のところに、夕方彰登から電話がかかってきた。
「直にい、香西明之と仕事をするって本当なのか?」
「ああ、堂原学院の学生寮の仕事だ。
大口の仕事だからキャンセルなんてできないだろ。
おまえと香西とのいきさつはもう知っているし、香西のこともすべて調べたから心配していることはわかるけどな。」
「なぁ、堂原学院の仕事に関しては秘書を優登に交代させたらどうかと思うんだが・・・。」
「ほぅ・・・おまえも郁香が狙われてると思って電話をくれたのか?」
「ああ。でも一度面識ができてしまった以上、アプローチをかけてくるのはどうしようもできないぞ。
あいつはそういう男だ。
かといって郁香を四六時中監視してまわるわけにもいかないしな。
せめて、堂原学院に出向くときだけでも離しておくのがいいと思う。」
「そんなにしつこいのか?」
「ああ、とくに郁香みたいに仕事を優先したいとか、仕事中にくどいてくる男にきびしい女は逆効果だ。
難問好きのクイズマニアと同じさ。
俺はあいつのせいで、素性のぜんぜん知らない女の子どもを認知させられそうになったことがある。
郁香がそんなことになったら大変だろ。
くそう・・・思いだしたら悔しくなってきた。
いっそのこと郁香と先に俺が結婚して既成事実を作っておくかなぁ。」
「バカいえっ!それじゃおまえも香西と変わらないじゃないか!
とにかく郁香の意思が一番でない限りだめだ。
だいたいだな、仕事中に色仕掛けはまったくもってけしからん話だ。
だが、忠告はきいておく。
郁香と優登の異動案はやってみようと思う。」
「そうか、やっぱり電話してよかったよ。
頼むぜ、直にい。
あ、それとさ・・・広にいは何かあったのか?
突然、邸にやってきて清登にしばらく厄介になるとか言ってたけど・・・。
嫁さんに追い出されるような事件があったのかなぁ。」
「ぬぁにぃーーーーーー!いつのまにそんなことになってるんだ。
よし、今夜そっちに行く。
たぶん、女性問題と妊娠騒ぎに違いない。」
「おぃおい・・・なんか面白そうだな。
あのいつも冷静をきどってる広にいがあせりまくってさ。
詳しい話を俺たちにもきかせてくれよ。」
「とにかく、広登にまず話をきいてからだ。
じゃあ、また後でな。」
(ふぅ・・・なんでそんなにひどいことになってるんだ?
もしかして、あの女が広登の家まで押しかけたのだろうか。
くそっ・・・できれば今夜は郁香に守る意思を伝えたかったのに。)
直登は郁香にどの話題から話そうか迷ったあげく、まず邸に広登が住んでいる話からきりだした。
そして、夜に広登に高下美代子のことがどうこじれてしまったのか話を聞きに行くことを伝えた。
「私も行きます。
まさか高下さんが、そんなに行動力のある女性だったなんてびっくりだもの。
それにしても、家庭におしかけて子どももいるところで修羅場状態なんて・・・あまりにやり方が・・・。
広登さんに落ち度があっても奥さんや子どもさんは何も知らないのにいきなり、責任をつきつけられてショックだったでしょうに。」
「だがなぁ・・・僕は広登をかばうわけじゃないけど、あいつ・・・そんな大それたことはしないやつだと思うんだ。
言い方とか嫌味なヤツだけどな。
人の道をはずれるようなことはいちばんやらない堅実な男なんだよ。広登は・・・。
それだけはわかってやってくれないかなぁ。
郁香に少し意地が悪かったのだって、普通の娘さんは・・・っていうのが頭にあるからでそういう真面目気質が言わせただけなんだしな。」
「それはわかります。わかりますけど・・・。
でも、広登さんはお金の面でずっと不満を言い続けているし、現実的かもしれないけど視野がせまい人だわ。」
「あのさ・・・じゃ、僕はどういう男かな?」
「それは・・・言いたくありません。
本題とは関係ないですし・・・。」
「僕は、お金にはある意味無頓着で働けば何とかなるなんて思ってるけど・・・郁香に不満は言わないよ。
郁香は自分の力で僕の会社にやってきてくれた。
それは僕がいちばんわかってるし、うれしかった。
じいさんの財産はそのご褒美でいいじゃないかって思うよ。
そのちっちゃな手でずっとひとりぼっちでがんばってきたんだから、もらって当然のものだ。
な~~んて言っておいて邸に勝手に兄弟で住まわせてもらってたんだがな・・・ははは。」
「それはもう気にしないで住んでいてください。
あ、でも今は・・・同棲してました。」
「な、なぁ郁香・・・広登の話は邸でするとして・・・それより前に相談がある。
彰登からとんでもない情報が入ってな。」
「何でしょうか。私に関係あること?」