普通に輝くOL
堂原学院へ行った帰りに直登は郁香を宝石店へと連れていった。
「どうして・・・ここに?」
「結婚指輪と婚約指輪はやっぱりないと困るだろ。
あ、順番逆だったか・・・。
あいつに勝手なことを言われたくないから。」
「えっ、だって、香西さんには妻だってはっきり言ったんだし、仕事のために指輪をはずしてるでいけちゃったんだから無理することなんて・・・ないのに。」
「無理じゃない!余裕だ。
べつに、あいつじゃなくてもだな、他の男も君が指輪をしてなかったら寄ってくるかもしれないじゃないか。
僕は、今日ほど値段云々じゃなくて指輪というものの重要性を知らしめられたことはないよ。」
「そんなオーバーな・・・。」
「オーバーじゃない!必需品だ。
男子校での仕事なんて絶対必需品だ!
そりゃ僕の甲斐性じゃ巨大で質がいい宝石なんて無理だけど、せめて世間一般の同じ年齢くらいの男の甲斐性を見せつけたいからさ・・・。」
まるでゲームをしている男の子が自分の持っているカードを自慢しているかのような表情を直登がしていたので、郁香は思わずふきだしてしまった。
(なんか僕はこんだけできるんだぁーーーって胸を張ってる子どもみたい。
これじゃ、買っていただかないといけないわね。)
郁香は売れ筋人気の小さい物で十分だと思っていたが、直登はブランド高級品狙いをしていた。
「ちょ、ちょっとそんな高価なものなんて、もったいないしいらないわ。
若いカップルがよく見てるショーケースのでほんとにいいんだから。」
「そういうわけにはいかないよ。
君は若いけど僕はこれでもそこそこの年齢だし、部下もしっかりと抱えた代表だからね。
それに立派な式場や披露宴にお金はかからないんだから、身に着けるものくらいお金かけさせてもらってもいいだろう?」
「私は・・・何も言えません。
買ってもらうのに自分の思いのままなんてできません。
だけどびっくりしちゃって。
直登さんが私に指輪を買うなんて・・・。」
「これでも遅いと思ってるけどね。
こういうところは早急にデートした後でもきておけばよかったと思ってるしね。
なんて・・・じつは女性と2人でこんな店に来るのは初めてさ。
僕は女性に触れると出るアレルギー持ちだからね。
指輪をはめてあげるにも大変なことになってしまう。」
「ほんとにそのアレルギー大変ね。
愛する人にアクセサリーが買ってあげられないなんて。」
「いや、今買ってるし・・・。
買ってあげるような女性はひとりでいいと思ってるし。」
「あ・・・あの、気になっていたんだけど、直登さんって堂原学院とは関係なく私と結婚しようとしてるとか?
ごめんなさい!べつに自惚れてるとかじゃないんだけど・・・なんか妙だなぁと思うことが多くて。」
「やっぱりわかるよなぁ。うん、香西や学院はきっかけにすぎなかったけど、郁香とは離れたくないし、同棲のような下宿人のようなって生活はやめた方がいいと思って。
あ゛ぁーーーーこれじゃまどろっこしくてわかりにくいな。
思い切って言うよ。
好きなんだ。おじいさんから話をきいてたときからずっと・・・だから結婚してほしい。
アレルギーが君だけ出ないのは僕がどうしても君に触れたいと思ってるから。
嫌じゃない証なんだ!」
「本気なんだ・・・。
じゃ、こういうのお断りです。」
「なっ・・・郁香。どうして・・・。いっしょに住んでるのに?
同棲のままでいいっていうのか?」
「書類上の結婚は堂原学院避けのためでいいんだけど、私・・・ちゃんと結婚式がしてみたいの。
家族だっていないんだけど、友達しか呼べないんだけど、きちんとお式して披露宴してほしい。
でも直登さんはそんなことになったら、たくさんの人を招待しなきゃいけないから大変なのよね。
だから、みんな省いちゃったのね。」
「郁香・・・。あはははは。なぁ~~~んだ!そういう注文はどんどん言ってくれたらいいのに。
遠慮はいらないよ。
男はなかなかそういうのが気がまわらないから、とにかく早く結婚したいとしか考えなかったんだ。
それに、郁香が仕事が終わり次第、表向きの結婚終了とか言うんじゃないかと思ってた。
なぁ~~んだ。普通にお嫁にきてくれるんだ・・・そうか。
ふふふふ。やったぁーーー!
よし、君の気持ちがわかった以上、しっかりと結婚式をあげよう。
もちろん披露宴もやる。
広登夫婦や碓井に頼めば、1週間後も可能なはずだ。
それでいいかい?」
「はい・・・。」
「あれ、まだ何か気に入らない?」
「やっぱり、披露宴はやめる。」
「どうして?」
「おじいさんが遺産を残してくれたといっても、私は施設暮らしとひとり暮らししかしてこなかった人間だし、花司家にはふさわしくないって広めたくないもの。
直登さんも弟さんたちにもはずかしい思いをさせちゃう。」
「そっか。じゃ、披露宴はやめよう。
でも、郁香が僕の奥さんだって会社や知り合いみんなには言うよ。
言いふらしたい。これだけは譲れない。」
「直登さん・・・はい。」
「どうして・・・ここに?」
「結婚指輪と婚約指輪はやっぱりないと困るだろ。
あ、順番逆だったか・・・。
あいつに勝手なことを言われたくないから。」
「えっ、だって、香西さんには妻だってはっきり言ったんだし、仕事のために指輪をはずしてるでいけちゃったんだから無理することなんて・・・ないのに。」
「無理じゃない!余裕だ。
べつに、あいつじゃなくてもだな、他の男も君が指輪をしてなかったら寄ってくるかもしれないじゃないか。
僕は、今日ほど値段云々じゃなくて指輪というものの重要性を知らしめられたことはないよ。」
「そんなオーバーな・・・。」
「オーバーじゃない!必需品だ。
男子校での仕事なんて絶対必需品だ!
そりゃ僕の甲斐性じゃ巨大で質がいい宝石なんて無理だけど、せめて世間一般の同じ年齢くらいの男の甲斐性を見せつけたいからさ・・・。」
まるでゲームをしている男の子が自分の持っているカードを自慢しているかのような表情を直登がしていたので、郁香は思わずふきだしてしまった。
(なんか僕はこんだけできるんだぁーーーって胸を張ってる子どもみたい。
これじゃ、買っていただかないといけないわね。)
郁香は売れ筋人気の小さい物で十分だと思っていたが、直登はブランド高級品狙いをしていた。
「ちょ、ちょっとそんな高価なものなんて、もったいないしいらないわ。
若いカップルがよく見てるショーケースのでほんとにいいんだから。」
「そういうわけにはいかないよ。
君は若いけど僕はこれでもそこそこの年齢だし、部下もしっかりと抱えた代表だからね。
それに立派な式場や披露宴にお金はかからないんだから、身に着けるものくらいお金かけさせてもらってもいいだろう?」
「私は・・・何も言えません。
買ってもらうのに自分の思いのままなんてできません。
だけどびっくりしちゃって。
直登さんが私に指輪を買うなんて・・・。」
「これでも遅いと思ってるけどね。
こういうところは早急にデートした後でもきておけばよかったと思ってるしね。
なんて・・・じつは女性と2人でこんな店に来るのは初めてさ。
僕は女性に触れると出るアレルギー持ちだからね。
指輪をはめてあげるにも大変なことになってしまう。」
「ほんとにそのアレルギー大変ね。
愛する人にアクセサリーが買ってあげられないなんて。」
「いや、今買ってるし・・・。
買ってあげるような女性はひとりでいいと思ってるし。」
「あ・・・あの、気になっていたんだけど、直登さんって堂原学院とは関係なく私と結婚しようとしてるとか?
ごめんなさい!べつに自惚れてるとかじゃないんだけど・・・なんか妙だなぁと思うことが多くて。」
「やっぱりわかるよなぁ。うん、香西や学院はきっかけにすぎなかったけど、郁香とは離れたくないし、同棲のような下宿人のようなって生活はやめた方がいいと思って。
あ゛ぁーーーーこれじゃまどろっこしくてわかりにくいな。
思い切って言うよ。
好きなんだ。おじいさんから話をきいてたときからずっと・・・だから結婚してほしい。
アレルギーが君だけ出ないのは僕がどうしても君に触れたいと思ってるから。
嫌じゃない証なんだ!」
「本気なんだ・・・。
じゃ、こういうのお断りです。」
「なっ・・・郁香。どうして・・・。いっしょに住んでるのに?
同棲のままでいいっていうのか?」
「書類上の結婚は堂原学院避けのためでいいんだけど、私・・・ちゃんと結婚式がしてみたいの。
家族だっていないんだけど、友達しか呼べないんだけど、きちんとお式して披露宴してほしい。
でも直登さんはそんなことになったら、たくさんの人を招待しなきゃいけないから大変なのよね。
だから、みんな省いちゃったのね。」
「郁香・・・。あはははは。なぁ~~~んだ!そういう注文はどんどん言ってくれたらいいのに。
遠慮はいらないよ。
男はなかなかそういうのが気がまわらないから、とにかく早く結婚したいとしか考えなかったんだ。
それに、郁香が仕事が終わり次第、表向きの結婚終了とか言うんじゃないかと思ってた。
なぁ~~んだ。普通にお嫁にきてくれるんだ・・・そうか。
ふふふふ。やったぁーーー!
よし、君の気持ちがわかった以上、しっかりと結婚式をあげよう。
もちろん披露宴もやる。
広登夫婦や碓井に頼めば、1週間後も可能なはずだ。
それでいいかい?」
「はい・・・。」
「あれ、まだ何か気に入らない?」
「やっぱり、披露宴はやめる。」
「どうして?」
「おじいさんが遺産を残してくれたといっても、私は施設暮らしとひとり暮らししかしてこなかった人間だし、花司家にはふさわしくないって広めたくないもの。
直登さんも弟さんたちにもはずかしい思いをさせちゃう。」
「そっか。じゃ、披露宴はやめよう。
でも、郁香が僕の奥さんだって会社や知り合いみんなには言うよ。
言いふらしたい。これだけは譲れない。」
「直登さん・・・はい。」