普通に輝くOL
すると、突然開いた窓の外から細い紐のついた石が投げ込まれた。
「きゃっ!!何なの、石?」
投げ込まれた石に小さなメモをたたんだ手紙がくっついていた。
「何?『姫、あなたの王子が助けにまいりました。
石を結んでいる紐を引っ張り続けてください。・・・・・清登』
えっ、清登くん!?ってことは直登さんが助けにきてる?」
郁香は書かれてあったとおりに紐を引っ張り続けた。
紐は途中から太いロープへと変わり、途中からロープに等間隔でおだんごの結び目ができていた。
「これってもしかして・・・。」
窓の下をのぞいてみると、清登と優登が手をふっていた。
郁香はすぐにロープの輪をベッドの足に通し巻いて結ぶと窓からロープを垂らして自分も窓から出た。
結び目に足を置きながら、清登と優登が構えて待っている下へ向かって降りはじめた。
「いいぞ、郁香。そのままゆっくり1歩ずつ、足を移動させて。
もう1階部分だから踏み外しても俺たちが受けとめるから安心しろ。」
「う、うん。」
何とか地面まではたどり着いたが、この真っ暗な敷地内をどうやって脱出すればいいのか郁香は2人に尋ねた。
「そういうと思ってな、広にいからいいものを預かってきたんだ。ほら。」
スマホの画面に緑の光が2つ光っている。
「この緑が味方の印。これ、マスコミ避けのために広にいが電気工学オタクの友達に作ってもらった探知機なんだけど、これを見ながら緑色の待機してるところへ移動すればいいんだ。
ちなみに、この探知機の相方機能を持ってない人間は赤い印が出るようになってる。」
「じゃあ、もう1つは直登さんが持ってるの?」
「そうだよ。出口で郁香を待ってる。」
「すごいのねぇ・・・2台の探知機で敵が察知もできちゃうなんて。」
「違うんだ。俺たちがここに来るまでに探知機の相方機能をつけたチップをそこいらじゅうにばらまいてきたんだ。」
「すごい!なんかスパイ映画みたいね。」
「郁香・・・もしかして俺たち兄弟と遊んでるつもり?」
「そうかも・・・・。うふふ。」
「さすが郁香、っていうか泣いてしがみつかれるよりかはいいけど、勝負はこれからだぞ。
とにかく俺たちと直にいたちのところまで走るんだ!」
「わかったわ。フォローよろしくね。」
「おう!いくら親会社っつ~っても俺たち花司兄弟をなめんなよってな。」
清登と優登に導かれながら郁香は直登の待つ入口まで全力疾走した。
犬など追ってくることもなく、あと5mほどで出口というところで、トラップの網が3人を覆った。
「うわっ!!!なんじゃ・・・こりゃ。」
「しまったぁ!動けないぞ。」
「直登さんが何か言ってるみたいだけど・・・だめ、わからないわ。」
探知機の画面に赤い光がチラホラと増えてきているのがわかる。
「くそっ、追手が気づきやがった!」
「やだ、これじゃみんなでつかまっちゃうわ。」
3人がパニックしかけたところに彰登の声がした。
「3人とも姿勢を低くして地面にへばりつけ!」
3人が彰登の指示に従うと、ナイフがヒュッと3人の上を飛び、地面に止めてあったロープ部分を切っていった。
「おお、やったぁ、すげえな彰登。
さすがダーツ名人だ。」
「うそぉ・・・」
郁香はほんとに冒険映画のシーンみたいだと驚きながらも、何とか直登と合流することができた。
「郁香っ!」
「直登さん!」
「みんな、姿勢はどうでもいいから車に乗り込んで。
すぐに、逃げるぞ!」
広登が皆にそう声をかけると、一目散に車を走らせた。
そして到着したところは、楢崎邸(花司邸)の地下だった。
「ここってこんな地下室があったのね。知らなかった・・・。」
「そっか郁香はここを知らないまま出たんだよな。
じつはここは、俺たち兄弟の秘密基地なんだ。すげぇだろ?」
「うん、すごい。清登くん、知ってたんなら早く教えてほしかったわ。」
「俺とつきあってくれてたらここでデートしたのにな。」
「えっ、そうだったの?」
「おい、おまえたち・・・遊びじゃないんだぞ。
親会社の最高責任者を怒らせたのと、あんな変態がのさばってることを何とかしなきゃいけないだろうが!」
「ごめんなさい・・・で、直登さんどうするの?」
「うん、あいつはもう犯罪者決定だから訴えることにするよ。
だけど、親会社はつぶれてもらっては困るし、新しい代表とうまくやっていかないといけない。
厄介だな。
それより、あいつに何かされなかったか?」
「うん、大丈夫。明日になってたらどうなってたかわかんないけど。」
「まさか、あいつの家に郁香のじつの母親が住んでいたなんて・・・調べが足りなかった。
すまない・・・。」
「いいのよ。わかってうれしかった部分もあるし。
広登さんが謝ることじゃないわ。
でも・・・探知機といい、広登さんどうしたんですか?」
「あ、こいつね、郁香のおかげで家族円満にもどったのと、自分が君に対して偏見をもってたことを反省してるんだ。これでもね。」
「これでもは余計だ!」
「ありがとうございます。広登さん。助かりました。」
「きゃっ!!何なの、石?」
投げ込まれた石に小さなメモをたたんだ手紙がくっついていた。
「何?『姫、あなたの王子が助けにまいりました。
石を結んでいる紐を引っ張り続けてください。・・・・・清登』
えっ、清登くん!?ってことは直登さんが助けにきてる?」
郁香は書かれてあったとおりに紐を引っ張り続けた。
紐は途中から太いロープへと変わり、途中からロープに等間隔でおだんごの結び目ができていた。
「これってもしかして・・・。」
窓の下をのぞいてみると、清登と優登が手をふっていた。
郁香はすぐにロープの輪をベッドの足に通し巻いて結ぶと窓からロープを垂らして自分も窓から出た。
結び目に足を置きながら、清登と優登が構えて待っている下へ向かって降りはじめた。
「いいぞ、郁香。そのままゆっくり1歩ずつ、足を移動させて。
もう1階部分だから踏み外しても俺たちが受けとめるから安心しろ。」
「う、うん。」
何とか地面まではたどり着いたが、この真っ暗な敷地内をどうやって脱出すればいいのか郁香は2人に尋ねた。
「そういうと思ってな、広にいからいいものを預かってきたんだ。ほら。」
スマホの画面に緑の光が2つ光っている。
「この緑が味方の印。これ、マスコミ避けのために広にいが電気工学オタクの友達に作ってもらった探知機なんだけど、これを見ながら緑色の待機してるところへ移動すればいいんだ。
ちなみに、この探知機の相方機能を持ってない人間は赤い印が出るようになってる。」
「じゃあ、もう1つは直登さんが持ってるの?」
「そうだよ。出口で郁香を待ってる。」
「すごいのねぇ・・・2台の探知機で敵が察知もできちゃうなんて。」
「違うんだ。俺たちがここに来るまでに探知機の相方機能をつけたチップをそこいらじゅうにばらまいてきたんだ。」
「すごい!なんかスパイ映画みたいね。」
「郁香・・・もしかして俺たち兄弟と遊んでるつもり?」
「そうかも・・・・。うふふ。」
「さすが郁香、っていうか泣いてしがみつかれるよりかはいいけど、勝負はこれからだぞ。
とにかく俺たちと直にいたちのところまで走るんだ!」
「わかったわ。フォローよろしくね。」
「おう!いくら親会社っつ~っても俺たち花司兄弟をなめんなよってな。」
清登と優登に導かれながら郁香は直登の待つ入口まで全力疾走した。
犬など追ってくることもなく、あと5mほどで出口というところで、トラップの網が3人を覆った。
「うわっ!!!なんじゃ・・・こりゃ。」
「しまったぁ!動けないぞ。」
「直登さんが何か言ってるみたいだけど・・・だめ、わからないわ。」
探知機の画面に赤い光がチラホラと増えてきているのがわかる。
「くそっ、追手が気づきやがった!」
「やだ、これじゃみんなでつかまっちゃうわ。」
3人がパニックしかけたところに彰登の声がした。
「3人とも姿勢を低くして地面にへばりつけ!」
3人が彰登の指示に従うと、ナイフがヒュッと3人の上を飛び、地面に止めてあったロープ部分を切っていった。
「おお、やったぁ、すげえな彰登。
さすがダーツ名人だ。」
「うそぉ・・・」
郁香はほんとに冒険映画のシーンみたいだと驚きながらも、何とか直登と合流することができた。
「郁香っ!」
「直登さん!」
「みんな、姿勢はどうでもいいから車に乗り込んで。
すぐに、逃げるぞ!」
広登が皆にそう声をかけると、一目散に車を走らせた。
そして到着したところは、楢崎邸(花司邸)の地下だった。
「ここってこんな地下室があったのね。知らなかった・・・。」
「そっか郁香はここを知らないまま出たんだよな。
じつはここは、俺たち兄弟の秘密基地なんだ。すげぇだろ?」
「うん、すごい。清登くん、知ってたんなら早く教えてほしかったわ。」
「俺とつきあってくれてたらここでデートしたのにな。」
「えっ、そうだったの?」
「おい、おまえたち・・・遊びじゃないんだぞ。
親会社の最高責任者を怒らせたのと、あんな変態がのさばってることを何とかしなきゃいけないだろうが!」
「ごめんなさい・・・で、直登さんどうするの?」
「うん、あいつはもう犯罪者決定だから訴えることにするよ。
だけど、親会社はつぶれてもらっては困るし、新しい代表とうまくやっていかないといけない。
厄介だな。
それより、あいつに何かされなかったか?」
「うん、大丈夫。明日になってたらどうなってたかわかんないけど。」
「まさか、あいつの家に郁香のじつの母親が住んでいたなんて・・・調べが足りなかった。
すまない・・・。」
「いいのよ。わかってうれしかった部分もあるし。
広登さんが謝ることじゃないわ。
でも・・・探知機といい、広登さんどうしたんですか?」
「あ、こいつね、郁香のおかげで家族円満にもどったのと、自分が君に対して偏見をもってたことを反省してるんだ。これでもね。」
「これでもは余計だ!」
「ありがとうございます。広登さん。助かりました。」