普通に輝くOL
郁香はキョトンとしていたが、直登の様子がとても困ってるようだったのと、他の2人の騒ぎ方が気になって
「直登さん、覚悟できてますから見せてあげてください。」
「でもしかしなぁ・・・こいつらには、ちょっと。
やめておいた方がいいと思うんだけどなぁ。」
「だってバニーガールのでしょ?そりゃ体型はモデルさんのようにはいかないけど・・・服は自信作でね。」
「いや・・・確かに服は自信があるんだろうけど、写真が失敗っていうかさ・・・。」
「えっ、あれ?私、なんか違う写真を渡しちゃったのかしら?」
郁香はこっそり直登に1枚を見せてもらった途端、大声をあげた。
「ウソッ・・・これは、処分したはずの・・・!い、いやあああああ、やだ、返して!」
「すごく刺激的だ。胸がはちきれんばかりで、お尻が破れてるとこなんか・・・。
これってどういう理由だったの?」
小声で直登にきかれて、郁香は真っ赤な顔をしてつぶやいた。
「サイズの小さい友人のも作ってたんです。
それでいっしょに着ようと思って着てみたら、友人に渡す方を間違えてて、自分が着るのを渡してしまってたっていう・・・。」
「なるほどね。じゃ。これは僕だけの宝物にいただいておこう。」
「だ、だめですよ!返して!」
「返してもいいけど、すぐ2人が見ると思うよ。
僕に預けておけば、うまくかわしてあげるけど・・・。どうする?」
「うう・・・仕方ない・・・おまかせします。」
「わかった。」
直登は弟2人に写真をせがまれたが、仕事用の別の写真を破って見せ、ピンボケ写真だとごまかしたのだった。
翌日から花司家から会社まで通勤することになった郁香だったが、総務課の優登は郁香より出勤が遅いし、直登は社長なので、当然お抱え運転手の車で出勤なわけで・・・ちょうどいい感じの時間差だと機嫌よく花司家を出発した。
最寄駅まで軽やかに徒歩10分。
「お屋敷はいい場所だわ~。もとの家だったら徒歩24分はかかっていたもの。」
上機嫌で、駅に着くとちょうどホームに電車が到着して、郁香が乗り込もうとしたときには発車の合図が出ていたが半身がまだドアの外だった。
「やだ、誰か・・・後ろから押してよ。このままじゃ、はさまれちゃうか乗れないわ。
これ乗らないと困っちゃうよぉ!」
あせりまくりながら、押し込んだ片足が抜けなくて後ろにもひけなくなってしまい、そのときドアがガタッと音がして
(もうだめ。挟まれるの決定だぁ!)
思わず目をつぶると、間一髪で後ろから走ってきた人が郁香もろとも押し込んでくれて乗ることができた。
「あっ、痛くない・・・私ごと押し込んでくださった方がいるんだ!
お礼を言わなきゃ。でも、お礼を言いたくてもその人は(たぶん私の後ろだよね・・・)」
混みあう車内に同じ体勢のまま乗っていたが、カーブにさしかかったところで、今度はガタッと倒れそうになった。
「あらら・・・あらあら・・・まずいって・・・こけちゃう。」
「明日から電車通勤は禁止だな!危なくて見てられない。」
「え!?なっ・・・なななななお・・・じゃなくて社長ぉ!どうして?ここに。」
「優登から君の伝説を聞かされたから追ってきたんだ。」
「伝説・・・って、私はどういった冒険をやらかしたことになってるんですか?」
「かなりの方向音痴だから、乗る電車の向きを間違えるとか、人の流れに身をまかせやすいから、降りる駅じゃないところで押し出されるとか。
今みたいにこけそうになると、手当たりしだい藁をつかむみたいにひっぱってしまって危うくチカンにあいそうになったとか。
目的地に無事着いたと思ったら靴がなかったとか・・・そんなこんなの伝説で前の家からの通勤はかなりぐるっと遠回りをするバスで通勤してたんだって?」
「兄弟で私の伝説をネタに笑ってたんですね。
で、確認に来たんですか? お抱え運転手さんと車を使わずに・・・。」
「笑ったりはしてないけど、確認はしないとと思ってね。
だけど・・・く、くくくっ。足が抜けないってときの顔がね・・・プッ」
「笑った!笑ってるじゃない。
もう、明日から私はもとのアパートからバスで通います。
その方がいいわ。」
「悪いけど、もうアパートは入れない。
次の借主のためにリフォーム中だ。
うちは管理会社で、親会社は不動産会社だからそこはお手の物なのはわかるよね。」
「どうして?私が花司家を気に入らなくて帰るかもしれないのに・・・。」
「もどるわけないと思ったから。
僕たちは家族なんだから、もどるところは我が家だけだ。
気に入らないことや不満はどんどん僕にぶつけてくれればいい。
きっと徹朗じいさんやうちの父さんがいたら話をじっくりきいてくれてたはずだから。」
「直登さん、覚悟できてますから見せてあげてください。」
「でもしかしなぁ・・・こいつらには、ちょっと。
やめておいた方がいいと思うんだけどなぁ。」
「だってバニーガールのでしょ?そりゃ体型はモデルさんのようにはいかないけど・・・服は自信作でね。」
「いや・・・確かに服は自信があるんだろうけど、写真が失敗っていうかさ・・・。」
「えっ、あれ?私、なんか違う写真を渡しちゃったのかしら?」
郁香はこっそり直登に1枚を見せてもらった途端、大声をあげた。
「ウソッ・・・これは、処分したはずの・・・!い、いやあああああ、やだ、返して!」
「すごく刺激的だ。胸がはちきれんばかりで、お尻が破れてるとこなんか・・・。
これってどういう理由だったの?」
小声で直登にきかれて、郁香は真っ赤な顔をしてつぶやいた。
「サイズの小さい友人のも作ってたんです。
それでいっしょに着ようと思って着てみたら、友人に渡す方を間違えてて、自分が着るのを渡してしまってたっていう・・・。」
「なるほどね。じゃ。これは僕だけの宝物にいただいておこう。」
「だ、だめですよ!返して!」
「返してもいいけど、すぐ2人が見ると思うよ。
僕に預けておけば、うまくかわしてあげるけど・・・。どうする?」
「うう・・・仕方ない・・・おまかせします。」
「わかった。」
直登は弟2人に写真をせがまれたが、仕事用の別の写真を破って見せ、ピンボケ写真だとごまかしたのだった。
翌日から花司家から会社まで通勤することになった郁香だったが、総務課の優登は郁香より出勤が遅いし、直登は社長なので、当然お抱え運転手の車で出勤なわけで・・・ちょうどいい感じの時間差だと機嫌よく花司家を出発した。
最寄駅まで軽やかに徒歩10分。
「お屋敷はいい場所だわ~。もとの家だったら徒歩24分はかかっていたもの。」
上機嫌で、駅に着くとちょうどホームに電車が到着して、郁香が乗り込もうとしたときには発車の合図が出ていたが半身がまだドアの外だった。
「やだ、誰か・・・後ろから押してよ。このままじゃ、はさまれちゃうか乗れないわ。
これ乗らないと困っちゃうよぉ!」
あせりまくりながら、押し込んだ片足が抜けなくて後ろにもひけなくなってしまい、そのときドアがガタッと音がして
(もうだめ。挟まれるの決定だぁ!)
思わず目をつぶると、間一髪で後ろから走ってきた人が郁香もろとも押し込んでくれて乗ることができた。
「あっ、痛くない・・・私ごと押し込んでくださった方がいるんだ!
お礼を言わなきゃ。でも、お礼を言いたくてもその人は(たぶん私の後ろだよね・・・)」
混みあう車内に同じ体勢のまま乗っていたが、カーブにさしかかったところで、今度はガタッと倒れそうになった。
「あらら・・・あらあら・・・まずいって・・・こけちゃう。」
「明日から電車通勤は禁止だな!危なくて見てられない。」
「え!?なっ・・・なななななお・・・じゃなくて社長ぉ!どうして?ここに。」
「優登から君の伝説を聞かされたから追ってきたんだ。」
「伝説・・・って、私はどういった冒険をやらかしたことになってるんですか?」
「かなりの方向音痴だから、乗る電車の向きを間違えるとか、人の流れに身をまかせやすいから、降りる駅じゃないところで押し出されるとか。
今みたいにこけそうになると、手当たりしだい藁をつかむみたいにひっぱってしまって危うくチカンにあいそうになったとか。
目的地に無事着いたと思ったら靴がなかったとか・・・そんなこんなの伝説で前の家からの通勤はかなりぐるっと遠回りをするバスで通勤してたんだって?」
「兄弟で私の伝説をネタに笑ってたんですね。
で、確認に来たんですか? お抱え運転手さんと車を使わずに・・・。」
「笑ったりはしてないけど、確認はしないとと思ってね。
だけど・・・く、くくくっ。足が抜けないってときの顔がね・・・プッ」
「笑った!笑ってるじゃない。
もう、明日から私はもとのアパートからバスで通います。
その方がいいわ。」
「悪いけど、もうアパートは入れない。
次の借主のためにリフォーム中だ。
うちは管理会社で、親会社は不動産会社だからそこはお手の物なのはわかるよね。」
「どうして?私が花司家を気に入らなくて帰るかもしれないのに・・・。」
「もどるわけないと思ったから。
僕たちは家族なんだから、もどるところは我が家だけだ。
気に入らないことや不満はどんどん僕にぶつけてくれればいい。
きっと徹朗じいさんやうちの父さんがいたら話をじっくりきいてくれてたはずだから。」