ゆびきり
短大に通う私は、バイトをがんばりながら、マンションを借りていた。


一人ではなかなか広くて、自分の家が好きだ。


家についた私は、すぐに梨由から貰ったお手紙を開いて読み始めた。



〜日和へ〜

人はどうしてずっと一緒にいられない人のことまで好きになってしまうのだろう?

どうして、自分を愛してくれない人と出会って惹かれてしまったのだろう?

あなたからもらったのは少しの夢と

残ったのは大きな哀しみだった

なのに、私の心の中にまだあなたが居座ってる

あなたと出会えた意味を解れる日がきたのなら、

それは私が人として成長した印

それまでこの痕跡は表にでて私を辛くさせるだろう

今の気持ちと向き合えた私は

きっと必ず再び恋に落ちた人と幸せになれる

それを信じて

今は一人でも生きよう
光をさがしながら…

〜梨由より〜


私は涙が溢れ出した。


「ありがとう…梨由」


梨由が書いた詩は私の心そのものだった。
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