ゆびきり
梨由は自分の家に連れていってくれた。



「すっご~いこれが高級マンション?」



私の住んでるマンションの何倍もの広さだった。


梨由の一室が私の家の広さ分くらいはある。


さすが、住む世界が違う。



「どうぞ、そこ座って」



私はソファーに座った。自分のソファーの座り心地の何倍も心地いい。


辺りをみまわすと、ふと写真立てがあった。


あれは、倫子に見せてもらった写真と同じ。みんなでポエムでとった写真。



「はい、おまたせ」



よくテレビなどでみるお菓子を並べて、紅茶ももってきてくれた。



「ありがとう」



私はどうしても、あの写真が気になっていた。


それに気付いた梨由は写真を近くにもってきてくれた。



「これ、昔撮った写真。お気に入りなんだ」


梨由から昔の話しをきいた。



「龍二に一目ぼれだったんだ。好きになってもらいたかった…」



梨由、


あなたのあのときはなしを切り出してくれたとき、どんな気持ちだったの?



この切ない表情が、これから話す梨由の過去の辛さを物語っているようで、私はもう胸が苦しかったんだ。

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