ゆびきり
「やばい!詠士だ」





私たちは慌ただしく三人固まって、クラッカーの準備した。





「なんだこれ?」





何も知らない詠士はいつもより飾りの多い店を見渡した。





私と真斗と倫子は、三人でアイコンタクトして、クラッカーの紐を詠士にむかってひっぱった。





「お誕生日おめでとう」






私たち三人の行動に、詠士は驚いたようすだった。





「まあまあ、主役はここに座りなさい」






倫子は詠士の背中を押しながら席に移動させた。





「こうゆうの、苦手ってわかってやってるだろ…」






詠士は少し顔が赤くなっていた。





「まあまあ、いいじゃない」





こんな感じで、詠士の誕生日会が始まった。





「詠士、おめでとう。はい、これ」






私は詠士に用意したプレゼントを渡した。





「サンキュー、ここであけてもいい?」




「うん、いいよ」





詠士は丁寧に包みをはがしていき、中をあけた。





「あっ、香水だ」





「これ、ビンも可愛いけど、香りもなかなかいいんだよ」





私がそういうと、詠士は早速、自分にふりかけた。




「本当だ、俺この香り好きかも。香水なんて買ったことないし、ありがとな」





詠士の優しい笑顔で、私は嬉しくなった。





詠士に似合う香りを苦労して見つけたかいがあった。



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